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付属文書 環境
- 更新日 28 Feb 2025
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文書名 | 付属文書 環境 |
文書コード | A-09-SCRL-B-FA |
版 | 1.2 |
対象者 | 農場認証保有者 |
強制力 | 拘束力を有する |
発効日 | 2025 年 10 月 1 日 |
失効日 | 別途通知があるまでの間 |
翻訳公開日 | 2025 年 3 月 3 日 |
本文書の発行により廃止される文書 | SA-S-SD-24-V1.1 付属文書第6章:環境 |
本文書の内容について
この付属文書には、レインフォレスト・アライアンス基準「環境」の章における要件の実施に関連する、追加の拘束力のある内容が含まれています。この文書には以下が含まれます。
要件6.1.1の自然林およびその他の自然生態系の非転換に関する詳細情報。
要件6.1.2の保護区域および正式に指定された緩衝地帯への侵入禁止に関する詳細情報。
継続的改善要件6.2.3および6.2.4に関連する農場の境界外における保全・再生区域に関する詳細情報。
本文書を用いるべき時と使い方
この付属文書は、レインフォレスト・アライアンス基準に記載された要件とその実施方法について、認証保有者により詳しい情報を提供するものです。また、認証機関も、本文書を参照することで、実施に必要な事項をより深く理解することができます。
第1.1版から第1.2版への改訂による変更点
項目 | 変更内容 |
---|---|
1.位置情報データリスク査定 | 項目を追加し、森林破壊と保護区域への侵入に関するリスク査定の結果を説明しました。 |
2.自然林の非転換に関する詳細追加 | 不遵守の結果および小規模転換の許容について明確にしました。 |
2.1 農地転換の特定 | 森林破壊のリスク査定の結果を明確にしました。 転換の現地検証および必要とされる証拠を追加しました。 |
2.2 すでに発生した小規模な転換 | 適用範囲を明確にし、文章を単純化しました。 団体認証における小規模農場の適用条件の基準値を変更しました。 再生に関する要件を新しい項目2.3に移動しました。 |
2.3 すでに発生した小規模な転換の再生 | 文章を簡潔にし、団体認証における小規模農場の再生としてのアグロフォレストリー計画を削除しました。 レインフォレスト・アライアンスおよびその構成員への再生計画の提出を明確にしました。 団体構成員の再生活動に対する、団体責任者が負う責任について追加しました。 |
2.4 インフラストラクチャ設備のために計画された小規模な農地転換 | 必要と判断された場合に、レインフォレスト・アライアンスが認証保有者に再生計画を要請することを追加しました。 EUDR追加要件を選択した認証保有者への適用を追加しました。 |
3.保護区域への侵入禁止に関する詳細を追加しました。 | 追加情報を提供する新しい項目を追加しました。 明確化のため、保護区域への侵入に関するリスク査定の結果を追加しました。 保護区域への侵入に関する現場検証および「立入可」と「立入禁止」地域に必要な証拠を追加しました。 |
4.1 認証農場の境界外における保全・再生区域に関する条件 | レインフォレスト・アライアンス基準の要件6.2.4への参照を追加しました。 すべての要件を満たす保全・再生計画のレインフォレスト・アライアンスへの提出を追加しました。 |
4.2 認証農場の境界外における保全・再生区域の可監査性に関する条件 | 保全または再生価値および保護状況を示すために必要とされる証拠としてのドローン撮影の画像および/または衛星画像を排除しました。 保全区域または再生区域の外部審査の頻度を、6年ごとから3年ごとに変更しました。 |
1. 位置情報データリスク査定
レインフォレスト・アライアンスの位置情報データリスク査定は、認証保有者に以下の情報を提供します。
森林破壊のリスク分布図。
保護区域への侵入リスク分布図。
森林破壊および保護区域への侵入リスクレベルを示した各農場単位の位置情報データリスク表。
これらの資料は、レインフォレスト・アライアンス基準要件6.1.1および6.1.2に対する不遵守の可能性の概要を提供します。リスク査定は、レインフォレスト・アライアンス プラットフォーム上で認証保有者と認証機関が利用でき、位置情報データが更新されるたびに表示されます。
2. 自然林の非転換に関する詳細追加
基本要件6.1.1では、2014年1月1日を、それ以降は森林伐採や転換を行ってはならないという区切りの日として設定しています。この日以降に森林伐採や転換が行われた場合、その地域や生産単位はレインフォレスト・アライアンス基準を遵守していないとみなされ、非認証や認証取り消しの対象となる可能性があります。
ただし、以下の2.2項および2.3項に記載されているように、修復が可能な小規模な森林伐採または転換については、ある程度の柔軟性が認められます。さらに、インフラストラクチャ管理のための小規模な転換については、2.4項に記載された必要とされる手順に従うことで、レインフォレスト・アライアンスにより認められる場合があります。
2.1 農地転換の特定
レインフォレスト・アライアンスの森林破壊リスク査定では、認証保有者からアップロードされた位置情報データを評価し、2014年以降に農場単位で森林破壊のリスクがあるかどうかを判断します。農場単位の面積のうち、森林破壊された地域と重複する面積の割合に基づいて、3つのリスクレベルが割り当てられます。低リスク(緑)は0%、中リスク(オレンジ)は1.2%までの重複、高リスク(赤)は1.2%を超える重複です。低リスクはリスクが低いと見なされ、中リスクおよび高リスクはリスクが高いと見なされます。
森林破壊のリスク査定では、レインフォレスト・アライアンスが定義する転換と許容される土地利用の変更を常に識別できるとは限りません。例えば、以下のような場合です。
刈り入れられ農業用地に転換されるものの、自然生態系の転換を伴わない植林地。
自然林の転換を伴わない日陰樹の伐採。
2014年の締切日以前に生じた樹木被覆の損失。
認証保有者は、レインフォレスト・アライアンスのリスク査定の結果を用いて、不遵守のリスクがある地域や団体構成員を特定し、リスクを評価し、適切に管理するための措置を講じなければなりません。
森林破壊のリスクが著しい(中程度または高リスクに分類される)農場単位については、認証保有者はこれらの地域を対象とした内部監査を実施することが求められます。これらの監査では、生産者への聞き取り調査や現地視察を通して証拠を収集し、土地の転換が行われたかどうかを確認する必要があります。収集した証拠は、審査中および審査過程の終了後も保管し、審査員またはレインフォレスト・アライアンスの要請に応じて提出できるようにしておかなければなりません。転換が行われたかどうかを確認するための証拠には、以下が含まれます。
更新された農場の境界線のポリゴン。(該当する場合)
国の法律に基づく土地の使用権または土地の法的所有権を証明する文書(土地権利証書、先住民族の権利、政府の許可証、証明書、または検証可能な慣習的手段など。)
位置情報付きの写真、地図、またはその他の視覚的証拠。
生産者、コミュニティメンバー、およびその他の利害関係者の聞き取り調査記録。
地方自治体の機関(林業機関、国立公園など)からの情報。
2.2 すでに発生している小規模な転換
最初の認証審査前の内部監査で転換が発覚した場合、認証保有者は、それがここで定義されている小規模な転換の基準値の範囲内であるかを確認し、2.3項に従って再生計画を実施しなければなりません。転換が基準値を上回る場合、認証保有者は、不遵守の団体構成員、農場、または農場単位を認証プログラムから除外するものとします。EUDR追加要件の選択を含むすべての農場において、転換は2014年1月1日から2020年12月31日の間に発生していなければなりません。認証保有者および/または団体構成員は、以下の追加基準を満たしている必要があります。
a) 大規模農場および個別農場
大規模農場(生産者団体の一部として認証された農場を含む)および個別農場の場合、転換は農場の土地面積の1%または10ヘクタール(いずれか少ない方)を超えてはならない。
b) 団体認証
団体認証における小規模農場の場合、転換は農場単位の総土地面積の1%を超えてはならない。
レインフォレスト・アライアンスは、特定の認証保有者に対して、これらの許容範囲を審査し、承認、拒否、または取り消す権利を保持します。
2.3 すでに発生した小規模な転換の再生
これらの基準値内の転換については、農場責任者は生態学者と協力して、転換された森林または生態系の再生計画を作成しなければなりません。計画的な再生は、以下の条件を満たさなければなりません。
比例: 再生する面積は、転換された面積と同等以上でなければならない。この要件は、転換された面積を生産から外して回復させるか、または近隣の地域で再生および/または補填的な保全による利益を提供することで満たすことができる。
等価: 再生される生態系は、消失した自然生態系と同等の生態学的な価値を有していなければならない。再生した地域の価値が転換された地域の価値を下回る場合、または下回る見込みがある場合は、より広範囲の地域を再生させる必要がある。
付加的: 再生活動は、自然植生に関するレインフォレスト・アライアンスの要件の遵守など、他の理由で計画された活動に付け加えるものでなければならない。
恒久的: 再生活動は、資金調達、管理責任、明確な土地の所有権および土地の権利など、長期的な持続性を確保するように計画されなければならない。
さらに、団体認証の場合、さらなる転換を防止するために、以下の対策を実施する必要があります。
団体構成員に対する制裁制度を確立し、さらなる森林破壊を防止する。
団体構成員への意識向上策または研修を実施する。
リスク査定で森林破壊の深刻なリスクがあるとされたすべての団体構成員の農場単位のポリゴンを収集する。
責任者は、farmcert@ra.orgを通じてレインフォレスト・アライアンスに再生計画を提出しなければなりません。計画には、以下を含めるものとします。
明確な期限目標および責任を伴う、実施する活動の定義。
少なくとも3年ごとに実施する、再生地域の監視計画。
再生される地域のポリゴン。
植樹する樹木の樹種のリスト。
3年ごとに内部監査員および審査員に進捗報告書を提出し、それらが再生地の状況と一致しているかを確認・検証を行う。
注:生産者団体内の小規模農場に対する再生措置の実施、監視、および報告は、団体責任者が促進しなければなりません。影響を受けた団体構成員に対してこれらの措置が実施されない場合、団体責任者は責任を負うことになり、結果、非認証または認証取り消しとなる可能性があります。
2.4 インフラストラクチャ設備のために計画された小規模な農地転換
農場または加工業務に不可欠なインフラストラクチャの維持または拡大を目的とした、総認証面積の1%までの自然生態系の転換は、以下の条件を満たす場合に、許可される場合があります。
転換は、新しい農場インフラストラクチャの設置、または既存の農場インフラストラクチャ(例:道路や灌漑インフラ、ポンプ施設、水路、池、貯水池、ダム、貯水地など)、恒久的に設置された機械、または洗浄、加工、梱包のための施設の修理または最新化を目的とする場合にのみ、実施することができる。
農場または団体責任者は、提案されたインフラストラクチャの設置または修理が、関連する区域の転換なしには実施できない理由を含め、事前に設置計画を文書化するものとする。
転換される面積が認証面積全体の1%という許容基準値を下回っていることを実証するために、認証面積全体および転換面積のポリゴンが収集される。注:1%という基準値は、認証の申請初日から累積した許容面積の合計である。
農場または団体責任者は、転換前にレインフォレスト・アライアンスから承認を取得しなければならない。承認を受けるには、転換の理由と計画、および対象地のポリゴンを含めた計画書をfarmcert@ra.orgに送信するものとする。
転換が、レインフォレスト・アライアンス基準の要件6.1.2に完全に準拠している。
転換が適用法に完全に準拠していること。
転換が、当該の土地または地域に関する高保全価値地区(HCV)の評価に含まれる高保全価値地区に関する指定または推奨事項に一致している。
レインフォレスト・アライアンスは、転換計画の評価を行った後、必要に応じて、2.3項に記載されている再生計画を実施するよう認証保有者に要求する権利を保持する。
この許可は、小規模転換の主な目的が、農地利用および農業用施設(格納庫、納屋、地下室、サイロなど)の運営を含む(ただし、これに限定されない)加工業務のための土地利用である場合、欧州森林破壊防止規制(EUDR)に準拠することを選択した認証保有者には適用されない。
3. 保護区域への侵入禁止に関する追加情報
基準の要件6.1.2の不遵守リスクを評価するために、レインフォレスト・アライアンスのリスク査定では、農場単位が保護区域またはその指定された緩衝地帯内に位置する可能性、およびそれらの地域内での農業生産が適用法の下で許可されているかどうかを判断します。
レインフォレスト・アライアンスは、IUCNの保護地域分類を使用して、「立入可」および「立入禁止」区域を指定しています。「立入禁止」の保護区域では農業生産は禁止されていますが、「立入可」の保護区域では農業活動が特定の条件下で許可されており、法律によって規制されています。これに基づき、次の3段階のリスクレベルが割り当てられます。すなわち、保護区域と重複しない場合は低リスク(緑)、「立入可」の保護区域と重複する場合は中リスク(オレンジ)、「立入禁止」の保護区域と重複する場合は高リスク(赤)となります。
リスク査定で農場単位が高リスクと判定された場合、認証保有者は内部監査中にそのような農場すべてを訪問し、「立入禁止」の保護区域内で生産が行われなかったことを示す証拠を収集しなければなりません。証拠は審査中および審査後も保管し、審査員またはレインフォレスト・アライアンスの要請に応じて提出できるようにしておかなければなりません。保護区域または緩衝地帯への侵入の有無を確認する証拠としては、以下が含まれます。
修正された農場の境界線のポリゴン。(該当する場合)
国の法律に準拠した土地利用および/または法的権利を証明する書類。
位置情報付きの写真、地図、その他の視覚的証拠。
生産者およびその他の利害関係者の聞き取り調査記録。
中程度のリスクと特定された農場単位は、認証保有者による訪問を受け、保護区域内で生産または加工作業が行われたかどうか、また、それが適用法に準拠しているかどうかを評価します。そのような生産者は、少なくとも次のものを提示しなければなりません。
国の法律に準拠した土地利用および/または法的権利を証明する書類。
4. 農場境界外での保全と再生に関する追加の詳細
4.1 認証農場の境界外における保全・再生区域に関する条件
レインフォレスト・アライアンス基準の継続的改善要件6.2.3および6.2.4において、農場における自然植生の必要割合を達成することが、生産的な農業地帯を縮小することなしには不可能な場合、以下の条件が適用されます。生産者は、以下の条件を満たす場合に、農場内の植生面積を農場境界外の保全または再生区域で補うことができます。
生産者は、農場に必要とされる自然植生の割合を達成できない場合にのみ、農場境界外に保全または再生区域を設けることができる。
生産者は、農場内の既存の自然植生を他の土地利用に転換しないこと。農場境界外の保全区域は、農場内の既存の植生および追加植生を補うためにのみ使用できる。恒久的な保全区域を農場内の植生に代用することはできない。
生産者は、必要とされる自然植生の割合の一部を農場内と、農場境界外に保全区域としての自然植生を保有することができる。例えば、生産者は農場内に5%の自然植生を保有し、農場外にも5%の自然植生を保有することができる。
認証農場の境界外にある保全地域または再生区域は、少なくとも25年間、その地域の長期的な保護を効果的に提供する。
認証農場の境界外の保全または再生区域は、現状と比較して、保全価値と保護状態をもたらす。つまり、生物多様性の価値の観点から、その地域は維持または改善されることを意味する。
認証農場の境界外にある保全または再生区域は、認証農場と類似した生態系に属する。例えば、認証農場が熱帯雨林を主な生態系とする地域に位置している場合、保全地域は熱帯雨林を主な生態系とする地域に位置する。
認証保有者は、すべての要件を含む保全または再生計画を、レインフォレスト・アライアンス(farmcert@ra.org)に送信するものとする。
4.2 認証農場の境界外における保全・再生区域の可監査性に関する条件
認証保有者は、農場境界外の保全または再生区域のポリゴンデータを提供する。
認証保有者は、保全または再生区域の面積(ヘクタール)と、それが認証農場面積に占める割合を示す。
認証保有者は、保全または再生区域が少なくとも25年間、効果的な長期的保護を受けられることを示す文書を提示するものとする。
審査員は、農場境界外の保全または再生区域を、少なくとも3年に1回訪問する。認証保有者は、認証農場境界外の保全または再生区域の審査にかかる追加費用を負担する。(例:検証のために審査員が保全または再生区域を訪問するための費用など)
その他の情報
本付属文書の(第1.0版)初版日:2022年7月1日。
「拘束力のある」と記載された文書は、認証に際して遵守する必要があります。「任意」または「拘束力のない」と記載された文書は、読者が要件やその他の拘束力のある情報を正しく理解し、その実施を支援するための非義務的な情報を提供しています。
翻訳免責事項
翻訳版に記載された情報の正確な意味について質問がある場合は、英語の公式版をご参照ください。翻訳により生じた誤りや意味の差異には拘束力がなく、審査や認証には一切影響しません。
レインフォレスト・アライアンスの書面による事前の同意なしに、本付属文書の複製、変更、配布、または再発行をすることは固く禁じられています。
詳細について
レインフォレスト・アライアンス認証の取得については、カスタマーサクセスチーム(customersuccess@ra.org)までお問い合わせください。
レインフォレスト・アライアンスの詳細については、http://www.rainforest-alliance.org/ja にアクセスするか、info@ra.orgまたは レインフォレスト・アライアンス アムステルダム事務所(Rainforest Alliance Amsterdam Office, De Ruijterkade 6, 1013AA Amsterdam, The Netherlands)にお問い合わせください。