付属文書 農業
  • 28 Feb 2025
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付属文書 農業

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記事の要約

タイトル

付属文書 農業

文書コード

A-07-SCRL-B-FA

1.2

対象者

農場認証保有者

強制力

拘束力を有する

発効日

2025年10月1日

失効日

別途通知があるまでの間

翻訳公開日:

2025年3月3日

本文書の発行により廃止される文書

SA-S-SD-22-V1.1 付属文書第4章:農業

本文書の内容について

この付属文書には、レインフォレスト・アライアンス基準の「農業」章における要件の実施に関連する、追加の拘束力のある内容が記載されています。この文書には以下が含まれます。

  • 禁止および廃止農薬に関する要件4.6.1の詳細説明。

  • 農薬のリスク緩和に関する要件4.6.2および禁止農薬の例外的な使用に関する方針の詳細説明。

  • 農薬の空中散布に関する要件4.6.7の詳細説明。

  • 労働安全衛生に関する要件5.6.1および5.6.13の詳細説明。

本文書を用いるべき時と使い方

本付属文書は、認証保有者に、レインフォレスト・アライアンス基準とその実施に関する詳細情報を提供するものです。認証機関もまた、本書を使用することで要件をより深く理解することができます。

第1.1版から第1.2版への改訂による変更点

項目

変更内容

1.関連する基準要件

章を削除しました。

2.健康と安全

有害な農薬を取り扱う労働者の健康と安全を守るための対策について、説明を追加しました。

3.例外的な使用の手順

明確化のため、例外的な使用に関する方針と緊急時の例外を、2つの項目に分けて記載しました。

例外的な使用の手順を明確にし、順序立てられた申請フォームへのリンクを含めて更新しました。

4.禁止農薬リスト

クロルデンのCAS番号を更新しました。クロロトルロン、EPN 300、プロピコナゾールについて名称を修正し、グルホシネートアンモニウム塩および異性体をいくつかを含めるよう明確化しました。

6.リスク軽減農薬リスト

α-シペルメトリン、メタムナトリウム、スピネトラム(XDE-175-J)のCAS番号を更新しました。

ベンフラカルブ、ベンタゾンナトリウム塩、オキシカルボキシンのスペルを訂正しました。

7.2 ドローンによる空中散布

レインフォレスト・アライアンスへの空中散布に関する報告を削除しました。

レインフォレスト・アライアンスへの空中散布中ドローン事故に関する報告を削除しました。

ドローンによる空中散布事故の記録保存と、審査員およびレインフォレスト・アライアンスへの提供の追加しました。

関連する認証機関を通じて、レインフォレスト・アライアンスに農薬散布禁止地帯の縮小を求める例外を明確にしました。

1. 農薬管理

本付属文書には、要件4.6.1、4.6.2、4.6.7、5.6.1、5.6.13に関連する農薬管理および取扱いに関する追加情報が含まれています。この付属文書は、生産者による、または生産者のための、農作業および収穫後の工程における農薬の使用を対象としています。

1.1 統合的病害虫管理(IPM)に関連する農薬リスト

本付属文書には、レインフォレスト・アライアンス基準の基本要件4.6.1および 4.6.2に記載されている農薬の禁止リスト、廃止リスト、リスク軽減農薬リストが含まれています。

認証農場では、禁止農薬および廃止農薬の使用が固く禁じられています。これらの物質は非常に有害な農薬(HHPs)に分類され、人の健康や環境に重大なリスクをもたらすか、現在では正式に登録されていないか、生産されていないか、または広く禁止されているかのいずれかにあたります。

リスク軽減農薬の使用は推奨されておらず、また、人の健康や環境に重大なリスクをもたらすことが知られているため、生産者はこれらの農薬の使用を避けるよう努めなければなりません。これらの農薬はIPM戦略の範囲内で、また人と環境を保護するための関連するリスク軽減措置が完全に実施されている場合にのみ使用すべきです。

2. 健康と安全

農薬を取り扱うことは、労働者にとって健康上のリスクとなります。要件5.6.1および5.6.13の遵守は、これらのリスクを防止し軽減するために非常に重要です。

レインフォレスト・アライアンス基準の専門要件5.6.13では、責任者は有害な農薬を扱う労働者に、毎年健康診断を受けさせることを義務付けています。この医療記録は秘匿されなければならず、また労働者は閲覧できなければなりません。

有機リン系およびカーバメート系農薬を扱う労働者は、医療ガイドラインに従って、曝露前にコリンエステラーゼ基準検査を、また定期的にモニタリングおよび検査を受けなければなりません。検査結果は、内々に労働者に通知する必要があります。

健康への悪影響が生じた場合、レインフォレスト・アライアンス基準の基本要件5.6.1に従い、責任者は他の作業員に影響が及ばないよう、リスクを速やかに軽減しなければなりません。責任者は、一時的に配置換えを行ったり、影響を受けた労働者へ必要な医療支援を提供したりするなど、医療機関の勧告に基づく改善措置を実施する必要があります。これらの措置は、労働者の費用負担なしに、かつ報酬に影響を与えることなく実施することが望ましいです。このアプローチは、農薬を取り扱う人々の健康と安全を維持することの重要性を強調しています。

有機リン系およびカーバメート系は、コリンエステラーゼ酵素を阻害し、急性および慢性曝露の両方で同様の症状を引き起こす可能性があります。同一人物が複数の用途で使用している場合、曝露はさまざまな経路から起こり得ます。また、有機リン系薬剤に同時に晒されると、さらなる毒性が生じる可能性があります。

2.1 有機リン系農薬およびカーバメート系農薬の一覧

有機リン系農薬

  • アセフェート

  • アジンホスエチル

  • アジンホスメチル

  • ベンスリド

  • ブロモホスエチル

  • カズサホス

  • クロルフェンビンホス

  • クロルメホス

  • クロルピリホス

  • クロルピリホスメチル

  • ジメトン−S−メチル

  • ダイアジノン

  • ジクロルボス; DDVP

  • ジクロトホス

  • ジメトエート

  • ジスルホトン

  • エディフェンホス

  • エトプロホス; エトプロップ

  • エチオン

  • ファムフール

  • フェナミホス

  • フェニトロチオン

  • フェンチオン(PIC条約推奨)

  • ヘプテノホス

  • イソキサチオン

  • レプトホス

  • マラチオン

  • メビンホス

  • メタミドホス

  • メチダチオン

  • モノクロトホス

  • ナレド

  • オキシデメトンメチル

  • パラチオン

  • パラチオンメチル

  • ホレート

  • ホサロン

  • ホスメット

  • ホスファミドン

  • ピリミホスメチル

  • プロフェノホス

  • プロペタンホス

  • スルホテップ

  • テルブホス

  • テトラクロルビンホス、ジソマー

  • トリアゾホス

カーバメート

  • アルジカルブ

  • ベンオカルブ

  • カルバリル

  • カルボフラン

  • フェノキシカルブ

  • ホルメタネート

  • 塩酸ホルメタネート

  • メチオカルブ

  • メソミル

  • オキサミル

  • ピリミカーブ

  • プロポキスル

3. 例外的な使用の手順

例外的な状況下では、非常に有害な農薬の段階的な廃止に取り組む生産者を支援するために、レインフォレスト・アライアンスの禁止農薬リストに含まれる有効成分の使用を例外的に認める場合があります。例外が認められるのは、特定の農作物/病害虫および地理的範囲(国または国の一部)です。

3.1 例外的な使用に関する方針

禁止農薬の使用に関する、申請が許可される例外とその条件については、レインフォレスト・アライアンス基準の基本要件4.6.2に紐付けられている「例外的な使用に関する方針」に記載されています。生産者は、例外的な使用に関する方針にすでに記載されている例外を使用するために、追加の承認を得る必要はありません。

例外が認められる場合、その期間は限定的かつ特定の期間に限られます。それが現実的でない場合、レインフォレスト・アライアンスは別の期間を設定することがあります。レインフォレスト・アライアンスの技術的IPMチームによる評価を経て、承認された例外は「例外的な使用に関する方針」に追加されます。この方針は、以下に述べる手順に従って、半年ごとに改訂および発行されます。

  1. 認証保有者が、例外的な農薬使用の申請フォームを通じて、禁止されている有効成分の使用を正式に提出。

  2. 毎年6月30日までに受理された申請は、その年の下半期に審査される。12月31日までの下半期に受理された申請は、翌年の上半期に審査される。

  3. 例外として認められた内容とその条件を含む「例外的な使用に関する方針」の最新版を、レインフォレスト・アライアンスが毎年1月と7月に公開。

3.2 緊急時の例外

「例外的な使用に関する方針」の手続きの範囲外で、禁止された有効成分を緊急かつ一時的に使用する必要がある場合、認証保有者は緊急時の例外を申請することができます。この例外はそれぞれの認証保有者に限定され、一時的かつ一回限りのものであり、延長は認められません。

緊急申請を提出する場合、認証保有者は、その物質が必要とされる必要性、必要性の詳細、状況、期間を記入した、農薬の例外的な使用に関する緊急申請 フォームを記入する必要があります。

技術的IPMチームが申請を審査し、最低でも5営業日以内に、認証保有者へ直接回答を返信します。回答は例外が認められたかどうかを認証保有者に通知し、また適用される条件の概要を示すものです。

4. 禁止農薬リスト

レインフォレスト・アライアンス基準の基本要件4.6.1で参照されている禁止農薬リストは、FAO/WHOの毒性の高い農薬に関するガイドライン[1]に基づいています。これらのガイドラインには、8つの基準による毒性の高い農薬(HHP)の定義が含まれています。レインフォレスト・アライアンスの禁止農薬リストには、これらの各基準を示す8つの欄があります。

  1. WHOカテゴリー1A 人の健康にきわめて有害、または1B 人の健康に非常に有害 - 表では急性毒性として表示。

  2. 化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)、発がん性が知られている、または疑われているもの(カテゴリー1Aおよび1B)- 表では慢性毒性、発がん性の欄に記載。

  3. 化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)、変異原性で知られている、または疑われるもの(カテゴリー1Aおよび1B) - 表では慢性毒性、変異原性の欄に記載。

  4. 化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)、生殖毒性で知られている、または疑われているもの(カテゴリー1Aおよび1B)- 表中では慢性毒性、生殖毒性物質の欄に記載。

  5. モントリオール議定書、オゾン層破壊物質 - 表中では国際条約、アルファベットMと記載。

  6. ロッテルダム条約(条約の附属書Ⅲに記載され、PIC手続きの対象となるもの)- 表中では国際条約のアルファベットRと記載。

  7. ストックホルム条約、残留性有機汚染物質(POPs)- 表中では国際条約、アルファベットSと記載。

  8. 深刻な影響、農薬の有効成分および製剤が、レインフォレスト・アライアンスの解釈により、人の健康または環境に重篤または不可逆的な悪影響を及ぼす可能性が高いことを示したもの - 表中では「深刻な影響」と記載。

レインフォレスト・アライアンスの技術専門家は、レインフォレスト・アライアンス禁止農薬リストを定期的に見直しています。モントリオール議定書、ロッテルダム条約、ストックホルム条約、WHO(クラスIaまたはIb)またはGHS(発がん性1A/1B、変異原性1A/1B、生殖毒性1A/1B)の参照リストに追加された農薬は、このリストの改訂版に含まれます。また、人の健康または環境に深刻な、または不可逆的な有害な影響を及ぼす可能性が高い物質に関する新たな証拠も、このリストに含めるかどうかの検討対象となります。新たに追加される物質については、生産者が代替品を見つけるのを支援するため、段階的な廃止期間が設けられます。

なお、カルボスルファン、フェンチオン、メトキシクロルは、ロッテルダム条約(PIC)またはストックホルム条約(POP)に含めるよう勧告されています。これらの物質がいずれかの条約に含まれた場合、レインフォレスト・アライアンスの禁止リストにも含まれるようになります。生産者はこのことを考慮し、可能であれば代替品を使用し、これらの条約に掲載されることを見越してこれらの農薬を段階的に廃止するよう強く求められています。

主な使用略語:A:殺ダニ剤、Ad:アジュバント(機能性展着剤)、Fun:殺菌剤、Fum:燻蒸剤、H:除草剤、I:殺虫剤、N:殺線虫剤、R:殺鼠剤、Wood Pres.:木材保存剤

番号

禁止農薬  有効成分または有効成分基

CAS番号

主な用途

急性毒性

慢性毒性

国際条約

深刻な影響

発がん性

変異原性

生殖毒性

1.

アバメクチン

71751-41-2

I

1B

2.

アセトクロール

34256-82-1

A, I, N

3.

アクロレイン

107-02-8

H

1B

4.

アラクロール

15972-60-8

H

R

5.

アルジカルブ

116-06-3

I, A

1A

R

6.

α‐クロロヒドリン

96-24-2

R

1B

7.

アルファ-BHC; アルファ‐HCH

319-84-6

I, A

S

8.

リン化アルミニウム

20859-73-8

Fum

9.

アミトロール

61-82-5

H

10.

アントラセンオイル

90640-80-5

多様

11.

ヒ素及びその化合物

複数

多様

1B (a)

12.

アトラジン

1912-24-9

H

13.

アザフェニジン

68049-83-2

H

14.

アジンホスエチル

2642-71-9

I, A

1B

15.

アジンホスメチル

86-50-0

I, A

1B

R

16.

ベノミル

17804-35-2

Fun

17.

ベータ-シフルトリン; シフルトリン

68359-37-5

I, A

1B

18.

ベータ-HCH; ベータ-BCH

319-85-7

I, A

S

19.

ブラストサイジンS

2079-00-7

Fun

1B

20.

ホウ砂、ホウ酸塩*

複数

I, A

21.

ホウ酸

10043-35-3

I, A

22.

ブロディファコウム

56073-10-0

R

1A

23.

ブロマジオロン

28772-56-7

R

1A

24.

ブロメタリン

63333-35-7

R

1A

25.

ブロモホスエチル

4824-78-6

I

1B

26.

ブロモキシニル[2]

1689-84-5

H

27.

ブロモキシニルブチレート

3861-41-4

H

28.

ブロモキシニルヘプタノエート

56634-95-8

H

29.

オクタン酸ブロモキシニル

1689-99-2

H

30.

ブトカルボキシム

34681-10-2

I, A

1B

31.

ブトキシカルボキシム

34681-23-7

I, A

1B

32.

カズサホス

95465-99-9

N, I, A

1B

33.

シアン化カルシウム

592-01-8

R

1A

34.

カプタホール

2425-06-1

Fun

1A

R

35.

カルベンダジム

10605-21-7

Fun

36.

カルベタミド

16118-49-3

H

37.

カルボフラン

1563-66-2

I, A

1B

R

38.

クロルデン

12789-03-6

I, A

R, S

39.

クロルエトキシホス

54593-83-8

I, A

1A

40.

クロルフェンビンホス

470-90-6

I, A

1B

41.

クロルメホス

24934-91-6

I, A

1A

42.

クロロファシノン

3691-35-8

R

1A

43.

クロロタロニル

1897-45-6

Fun

44.

クロロトルロン

15545-48-9

H

45.

クロルピリホス

2921-88-2

I, A

46.

クロルピリホスメチル

5598-13-0

I, A

47.

クロチアニジン

210880-92-5

I, A

48.

クマホス

56-72-4

I, A

1B

49.

クマテトラリル

5836-29-3

R

1B

50.

クレオソート

8001-58-9

Wood Pres.

51.

シプロコナゾール

94361-06-5

Fun

52.

DDT

50-29-3

I, A

R, S

53.

ジメトン−S−メチル

919-86-8

I, A

1B

54.

ジクロルボス; DDVP

62-73-7

I, A

1B

55.

ジコホル

115-32-2

I, A

S

56.

ジクロトホス

141-66-2

I, A

1B

57.

ジフェナコウム

56073-07-5

R

1A

58.

ジフェチアロン

104653-34-1

R

1A

59.

ジメトモルフ[3]

110488-70-5

Fun

60.

ジモキシストロビン

149961-52-4

Fun

61.

ジノカップ

39300-45-3

Fun

62.

ジノテルブ

1420-07-1

H

1B

63.

ダイファシノン

82-66-6

R

1A

64.

ジスルホトン

298-04-4

I, A

1A

65.

DNOCおよびその塩

複数

Fun

1B

R

66.

ベノミル7%以上、カルボフラン10%以上、チウラム15%以上を含む粉剤。

ベノミル7%以上、カルボフラン10%以上、チウラム15%以上を含む粉剤。

I, A

R

67.

E-ホスファミドン

297-99-4

I, A

1A

R

68.

エディフェンホス

17109-49-8

I, A

1B

69.

エンドスルファン; アルファ-エンドスルファン; ベータ-エンドスルファン*

115-29-7; 959-98-8; 33213-65-9

I, A

R, S

70.

エピクロロヒドリン

106-89-8

I, A

71.

EPN 300

2104-64-5

I, A

1A

72.

エポキシコナゾール

133855-98-8

Fun

73.

エチオフェンカルブ

29973-13-5

I, A

1B

74.

エトプロホス; エトプロップ

13194-48-4

N, I, A

1A

75.

二臭化エチレン; 1,2-ジブロメタン

106-93-4

Fum

R

76.

二塩化エチレン; 1,2-ジクロロエタン

107-06-2

Fum

R

77.

エチレンオキシド

75-21-8

Fum

R

78.

エチレンチオ尿素

96-45-7

その他

79.

ファムフール

52-85-7

I, A

1B

80.

フェナミホス

22224-92-6

N, I, A

1B

81.

フェンクロラゾール-エチル

103112-35-2

H

82.

酢酸トリフェニルスズ

900-95-8

Fun

83.

水酸化トリフェニルスズ

76-87-9

Fun

84.

フィプロニル

120068-37-3

I, A

85.

フロクマフェン

90035-08-8

R

1A

86.

フルアジホップブチル

69806-50-4

H

87.

フルシトリネート

70124-77-5

I, A

1B

88.

モノフルオール酢酸アミド

640-19-7

I, A

1B

R

89.

フルシラゾール

85509-19-9

Fun

90.

ホルメタネート

22259-30-9

I, A

1B

91.

フラチオカルブ

65907-30-4

I, A

1B

92.

グルホシネートアンモニウム塩および異性体

複数

H

93.

ヘプテノホス

23560-59-0

I, A

1B

94.

ヘキサクロロベンゼン

118-74-1

Fun

1A

R, S

95.

ヘキサクロロシクロヘキサン; BHC異性体混合物

608-73-1

I, A

R

96.

シアン化水素

74-90-8

Fum

1A

97.

イミダクロプリド

138261-41-3

I, A

98.

イプロジオン

36734-19-7

Fun

99.

イソキサチオン

18854-01-8

I, A

1B

100.

リンデン

58-89-9

I, A

R,S

101.

リニュロン

330-55-2

H

102.

リン化マグネシウム

12057-74-8

Fum

103.

マンゼブ[4]

8018-01-7

Fun

104.

メカルバム

2595-54-2

I, A

1B

105.

水銀及びその化合物

複数

Fun

R

106.

メタミドホス

10265-92-6

I, A

1B

R

107.

メチダチオン

950-37-8

I, A

1B

108.

メチオカルブ

2032-65-7

I, A

1B

109.

メソミル

16752-77-5

I, A

1B

110.

臭化メチル

74-83-9

Fum

M

111.

メビンホス

7786-34-7

I, A

1A

112.

モリネート

2212-67-1

H

113.

モノクロトホス

6923-22-4

I, A

1B

R

114.

ニコチン

54-11-5

I, A

1B

115.

ニトロベンゼン

98-95-3

I, A

116.

オメトエート

1113-02-6

I, A

1B

117.

オキサミル

23135-22-0

N, I, A

1A

118.

オキシデメトンメチル

301-12-2

I, A

1B

119.

DMSO抽出量3%以上のパラフィンオイル

複数

Adj, A, Fun

120.

パラコート

4685-14-7

H

121.

パラコートジクロリド

1910-42-5

H

122.

パラチオン

56-38-2

I, A

1A

R

123.

パラチオンメチル

298-00-0

I, A

1A

R

124.

PCP; ペンタクロロフェノールおよびその塩

87-86-5

Wood Pres.

1B

R, S

125.

ホレート

298-02-2

I, A

1A

R

126.

ホスファミドン

13171-21-6

I, A

1A

R

127.

ホスフィン

7803-51-2

Fum

128.

プロフォキシジム

139001-49-3

H

129.

プロペタンホス

31218-83-4

I, A

1B

130.

プロピコナゾール

60207-90-1

Fun

131.

酸化プロピレン、オキシラン

75-56-9

Fum

132.

キザロホップ-p- テフリル

119738-06-6

H

133.

シラフルオフェン

105024-66-6

I, A

134.

シアン化ナトリウム

143-33-9

R

1B

135.

モノフルオロ酢酸ナトリウム(1080)

62-74-8

R

1A

136.

スピロジクロフェン

148477-71-8

I, A

137.

ストリキニーネ

57-24-9

R

1B

138.

スルフルラミド

4151-50-2

I, A

R, S

139.

スルホテップ

3689-24-5

I, A

1A

140.

テブピリミホス

96182-53-5

I, A

1A

141.

テフルトリン

79538-32-2

I, A

1B

142.

テプラロキシジム

149979-41-9

H

143.

テルブホス

13071-79-9

N, I, A

1A

144.

硫酸タリウム

7446-18-6

R

1B

145.

チアクロプリド[5]

111988-49-9

I, A

146.

チアメトキサム

153719-23-4

I, A

147.

チオファノックス

39196-18-4

I, A

1B

148.

チオメトン

640-15-3

I, A

1B

149.

チオ尿素

62-56-6

多様

150.

トリアジメノール

55219-65-3

Fun

151.

トリアゾホス

24017-47-8

I, A

1B

152.

トリブチルスズ化合物

複数

Fun

R

153.

トリクロルホン; メトリホナート

52-68-6

I, A

R

154.

トリデモルフ

81412-43-3

Fun

155.

トリフルミゾール

68694-11-1

Fun

156.

バミドチオン

2275-23-2

I, A

1B

157.

ヴィンクロゾリン

50471-44-8

Fu

158.

ワルファリン

81-81-2

R

1B

159.

Z-ホスファミドン

23783-98-4

I, A

1A

R

160.

リン化亜鉛

1314-84-7

R

1B

(a):このグループの一部の有効成分はWHOの1aまたはWHOの1bに分類されます。

5. 廃止農薬リスト

以下の表には、レインフォレスト・アライアンス基準の基本要件4.6.1に記載されている「廃止農薬リスト」が示されています。これらの有効成分は、現在では登録または生産されておらず、また広く禁止されているものでもありません。これらの農薬は、レインフォレスト・アライアンス認証を取得している生産者が活動する国々では依然として入手可能である可能性があるため、リストに記載しています。

番号

廃止農薬 (有効成分)

CAS番号

1.

2,3,4,5-ビステトラヒドロ-2-フルアルデヒド

126-15-8

2.

2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸

93-76-5

3.

2,4,5-トリクロロフェノール, カリウム塩

35471-43-3

4.

アルドリン

309-00-2

5.

ビナパクリル

485-31-4

6.

クロラニル

118-75-2

7.

クロルデコン(ケポン)

143-50-0

8.

クロロジメフォルム

6164-98-3

9.

クロロベンジレート

510-15-6

10.

DBCP

96-12-8

11.

ディルドリン

60-57-1

12.

ジノセブおよびその塩とエステル

88-85-7

13.

エンドリン

72-20-8

14.

ヘプタクロル

76-44-8

15.

レプトホス

21609-90-5

16.

マイレックス

2385-85-5

17.

ニトロフェン

1836-75-5

18.

オクタメチルピロホスホルアミド(OMPA)

152-16-9

19.

プロファム

122-42-9

20.

サフロール

94-59-7

21.

シルベックス

93-72-1

22.

ストロバン

8001-50-1

23.

TDE

72-54-8

24.

トキサフェン(カンフェクロル)

8001-35-2

6. リスク軽減農薬リスト

レインフォレスト・アライアンス基準の基本要件4.6.2に記されているリスク軽減リストは、オレゴン州立大学総合植物防疫センターの最先端科学リスク査定ツール「ipmPRiM」とその最新の結果に基づくものです[6]。これらの物質の使用は、IPM戦略の範囲内で、かつ、下の表に記載されているような関連するリスク軽減策が完全に実施されている場合にのみ許可されます。

主な使用略語:A:殺ダニ剤、Ad:アジュバント(機能性展着剤)、Fun:殺菌剤、Fum:燻蒸剤、H:除草剤、I:殺虫剤、N:殺線虫剤、R:殺鼠剤、Wood Pres.:木材保存剤

番号

リスク軽減農薬

CAS番号

主な用途

高レベル

PPE

水生生物

リスク

野生動物

リスク

授粉媒介者リスク

局外者のリスク

1.

1,3-ジクロロプロペン

542-75-6

Fum

2.

2,4-D 2-エチルヘキシルエステル

1928-43-4

H

3.

2,4-D、イソオクチルエステル

53404-37-8

H

4.

アセフェート

30560-19-1

I, A

5.

アセキノシル

57960-19-7

I, A

6.

アセタミプリド

135410-20-7

I, A

7.

アシフルオルフェン、ナトリウム塩

62476-59-9

H

8.

アミトラズ

33089-61-1

I, A

9.

アニラジン

101-05-3

Fun

10.

アゾキシストロビン

131860-33-8

Fun

11.

ベンオカルブ

22781-23-3

I, A

12.

ベンフルラリン

1861-40-1

H

13.

ベンフラカルブ

82560-54-1

I, A

14.

ベンスリド

741-58-2

H

15.

ベンタゾン、ナトリウム塩

50723-80-3

H

16.

ビフェントリン

82657-04-3

I, A

17.

ブロマシル

314-40-9

H

18.

キャプタン

133-06-2

Fun

19.

カルバリル

63-25-2

I, A

20.

カルボスルファン(PIC条約推奨)

55285-14-8

I, A

21.

カルタップ

15263-53-3

I, A

22.

クロルフェナピル

122453-73-0

I, A

23.

クロルピクリン

76-06-2

Fum

24.

クロゾリネート

84332-86-5

Fun

25.

水酸化銅

20427-59-2

Fun

26.

酸化銅(II)

1317-38-0

Fun

27.

酸化銅(I)

1317-39-1

Fun

28.

塩基性塩化銅

1332-40-7

Fun

29.

塩基性塩化硫酸銅

8012-69-9

Fun

30.

硫酸銅(無水物)

7758-98-7

Fun

31.

硫酸銅(五水和物)

7758-99-8

I, A

32.

ロンコカルパスの根エキス

CAS番号なし

33.

シアナジン

21725-46-2

H

34.

シクロエート

1134-23-2

H

35.

シハロトリン

68085-85-8

I, A

36.

γ-シハロトリン

76703-62-3

I, A

37.

λ-シハロトリン

91465-08-6

I, A

38.

α-シペルメトリン

67375-30-8

I, A

39.

β-シペルメトリン

65731-84-2

I, A

40.

ダゾメット

533-74-4

Fum

41.

デルタメトリン

52918-63-5

I, A

42.

ダイアジノン

333-41-5

I, A

43.

ジクロベニル

1194-65-6

H

44.

ジクロラン

99-30-9

Fun

45.

ジクロホップメチル

51338-27-3

H

46.

ジフェンゾコートメチル硫酸

43222-48-6

H

47.

ジフルベンズロン

35367-38-5

I, A

48.

ジメテナミド

87674-68-8

H

49.

ジメテナミド-P

163515-14-8

H

50.

ジメトエート

60-51-5

I, A

51.

ジノテフラン

165252-70-0

I, A

52.

ジクワットジブロミド

85-00-7

H

53.

ジクワットイオン

2764-72-9

H

54.

ジウロン

330-54-1

H

55.

ドジン

2439-10-3

Fun

56.

d-trans-アレトリン(ビオアレトリン)

584-79-2

I, A

57.

エマメクチン安息香酸塩

137512-74-4

I, A

58.

EPTC

759-94-4

H

59.

エスフェンバレレート

66230-04-4

I, A

60.

エタルフルラリン

55283-68-6

H

61.

エチオン

563-12-2

I, A

62.

エトキサゾール

153233-91-1

I, A

63.

ファモキサドン

131807-57-3

Fun

64.

酸化フェンブタスズ

13356-08-6

I, A

65.

フェニトロチオン

122-14-5

I, A

66.

フェノキシカルブ

79127-80-3 / 72490-01-8

I, A

67.

フェンプロパトリン

39515-41-8

I, A

68.

フェンピロキシメート

134098-61-6

I, A

69.

フェンバレレート

51630-58-1

I, A

70.

フェンチオン(PIC条約推奨)

55-38-9

I, A

71.

フェルバム

14484-64-1

Fun

72.

フルアジナム

79622-59-6

Fun

73.

フルフェナセット

142459-58-3

H

74.

フルミオキサジン

103361-09-7

H

75.

フルオピラム

658066-35-4

Fun

76.

フルピラジフロン

951659-40-8

I, A

77.

ホルペット

133-07-3

Fun

78.

フォメサフェンナトリウム

108731-70-0

H

79.

塩酸ホルメタネート

23422-53-9

I, A

80.

グリホサート、イソプロピルアミン塩

38641-94-0

H

81.

グリホサート-トリメシウム

81591-81-3

H

82.

ハロキシホップ-P

95977-29-0

H

83.

ヘキサジノン

51235-04-2

H

84.

インドキサカルブ、S異性体

173584-44-6

I, A

85.

ヨードスルフロンメチルナトリウム塩

144550-36-7

H

86.

イソキサベン

82558-50-7

H

87.

レナシル

2164-08-1

H

88.

石灰硫黄合剤

1344-81-6

I, A

89.

ルフェヌロン

103055-07-8

I, A

90.

マラチオン

121-75-5

I, A

91.

マレイン酸ヒドラジド

123-33-1

H

92.

マレイン酸ヒドラジドカリウム塩

28382-15-2

H

93.

マンネブ

12427-38-2

Fun

94.

MCPA、2-エチルヘキシルエステル

29450-45-1

H

95.

MCPA、イソオクチルエステル

26544-20-7

H

96.

メタラキシル

57837-19-1

Fun

97.

メタム

144-54-7

Fum

98.

メタムカリウム

137-41-7

Fum

99.

メタムナトリウム

137-42-8

Fum

100.

メトコナゾール

125116-23-6

Fun

101.

メトプレン

40596-69-8

I, A

102.

メトキシクロル

72-43-5

I, A

103.

ヨウ化メチル

74-88-4

Fum

104.

イソチオシアン酸メチル

556-61-6

I, A

105.

メチラム

9006-42-2

Fun

106.

メトラクロール

51218-45-2

H

107.

メトラクロール (S)

87392-12-9

H

108.

メトリブジン

21087-64-9

H

109.

精製鉱油

8042-47-5

I, A

110.

モノリニュロン

1746-81-2

H

111.

ミクロブタニル

88671-89-0

Fun

112.

ナレド

300-76-5

I, A

113.

ナプロパミド

15299-99-7

H

114.

ノルフルラゾン

27314-13-2

H

115.

ノバルロン

116714-46-6

I, A

116.

オリザリン

19044-88-3

H

117.

オキサジアゾン

19666-30-9

H

118.

オキシカルボキシン

5259-88-1

Fun

119.

オキシフルオルフェン

42874-03-3

H

120.

オキシチオキノックス; キノメチオナート

2439-01-2

Fun, A

121.

PCNB(キントゼン)

82-68-8

Fun

122.

ペンディメタリン

40487-42-1

H

123.

ペルメトリン

52645-53-1

I, A

124.

ホサロン

2310-17-0

I, A

125.

ホスメット

732-11-6

I, A

126.

ピリミカーブ

23103-98-2

I, A

127.

ピリミホスメチル

29232-93-7

I, A

128.

プロフェノホス

41198-08-7

I, A

129.

プロメトリン

7287-19-6

H

130.

プロパモカルブ塩酸塩

25606-41-1

Fun

131.

プロパニル

709-98-8

H

132.

プロパルギット

2312-35-8

I, A

133.

プロポキスル

114-26-1

I, A

134.

プロスルフロン

94125-34-5

H

135.

ピラクロストロビン

175013-18-0

Fun

136.

ピラゾホス

13457-18-6

Fun

137.

ピレトリン

8003-34-7

I, A

138.

ピリダベン

96489-71-3

I, A

139.

ピリダリル

179101-81-6

I, A

140.

レスメトリン

10453-86-8

I, A

141.

ロテノン

83-79-4

I, A

142.

S-ジメテナミド

163515-14-8

H

143.

シマジン

122-34-9

H

144.

塩素酸ナトリウム

7775-09-9

H

145.

テトラチオ炭酸ナトリウム

7345-69-9

Fun

146.

スピネトラム(XDE-175-J)

187166-40-1

I, A

147.

スピノサド(スピノシンAとスピノシンDの混合物)

131929-60-7 / 168316-95-8

I, A

148.

スルフェントラゾン

122836-35-5

H

149.

テクナゼン

117-18-0

Fun

150.

テフルベンズロン

83121-18-0

I, A

151.

テラゾール; エトリジアゾール

2593-15-9

Fun

152.

テトラクロルビンホス、Z異性体

22248-79-9

I, A

153.

テトラコナゾール

112281-77-3

Fun

154.

チアベンダゾール

148-79-8

Fun

155.

チオベンカルブ

28249-77-6

H

156.

チオジカルブ

59669-26-0

M

157.

チオファネートメチル

23564-05-8

Fun

158.

トルフェンピラド

129558-76-5

I, A

159.

トリアレート

2303-17-5

H

160.

トリアザメート

112143-82-5

I, A

161.

トリクロピル、トリエチルアミン塩

57213-69-1

H

162.

トリフロキシストロビン

141517-21-7

Fun

163.

トリフルムロン

64628-44-0

I, A

164.

トリフルラリン

1582-09-8

H

165.

トリホリン

26644-46-2

Fun

166.

トリチコナゾール

131983-72-7

Fun

167.

ゼータ-シペルメトリン

52315-07-8

I, A

168.

ジネブ

12122-67-7

Fun

169.

ジラム

137-30-4

Fun

6.1 リスク軽減農薬の使用に際して必要なリスク軽減措置

リスク軽減農薬リストに記載されている物質を使用する場合、リスクカテゴリーごとに以下の具体的なリスク軽減措置が適用されます。

  1. より高レベルの個人用防護具が必要とされる農薬とは、職業曝露リスク査定で、曝露による重大な急性、または慢性リスクの可能性が実証されている農薬のことを指します。より高レベルの防護用具(PPE)が必要として指定されている農薬は、以下の場合にのみ使用されます。

    1. 製品ラベルまたは製品安全データシート(MSDS)の規定通りにPPEが使用される場合。散布者のPPEの詳細がラベルに記載されていない場合は、目を保護するもの(フェイスマスクやゴーグルなど)、および呼吸用保護具(防毒マスクなど)を備えた基本的な防護服を着用しなければならない。

  2. 水生生物陸生野生動物に有害であるとしてリストに記載がある農薬は、以下の場合にのみ使用されます。

    1. 農薬の飛散や他の経路を介した農薬汚染を回避するための制度が導入され維持されている。これには、散布区域から自然生態系、公道、人間が活動している地域、およびインフラストラクチャを含む他の領域へと及ぶ農薬汚染が含まれる。この手順には、農作物以外の植生防壁農薬散布禁止地帯、その他の効果的な方法が含まれる。

  3. 花粉媒介者リスクがあるとしてリストに記載されている農薬は、以下の場合にのみ適用されます。

    1. より毒性が低く、効果がある農薬が利用できない場合。

    2. 農薬散布禁止地帯や植生防壁を設けることで、自然生態系が農薬にさらされるのを最小限に抑えられる場合。

    3. 花粉媒介者がこれらの農薬への接触を、次の方法でさらに減らす。

      1. 花をつける雑草に農薬を散布しない、または花をつける雑草を除去する。

      2. 農作物の開花の最盛期に農薬を散布しない。

            バナナ、カカオ、ブドウ、レモングラス、パイナップル、オオバコ、サトウキビ、茶類は適用外。

  4. 局外者へのリスクがあるとしてリストに記載されている農薬は、吸入リスクが高く、以下の場合にのみ適用されます。

    1. 立ち入り制限期間(REI)が設定されていること。

    2. すべての散布場所に、局外者の吸入リスクを示す旗や印が立てられていること。

    3. 農薬取扱者は、N、R、P、100シリーズのいずれかのフィルターを取り付けた有機ガス用(OV)カートリッジまたはキャニスター付きの防毒マスクを使用していること。

局外者とは、農場労働者、農薬取扱者、またはその家族以外で、吸入により農薬にさらされる人を指します。

7. 空中散布の要件

本章では、レインフォレスト・アライアンス基準の基本要件4.6.7を満たすために、有人航空機および無人機による農薬の空中散布の要件を規定しています。

7.1 有人航空機による空中散布

農薬の空中散布は、レインフォレスト・アライアンスが別途定める場合を除き、使用国の適用法、または以下のレインフォレスト・アライアンスの要件のうち、より厳しい方を遵守する必要があります。なお、基準の基本要件1.2.1では、そのような法律が廃止された場合には、基準の要件が優先されるものと規定しています。空中散布に関する以下のレインフォレスト・アライアンス要件は、科学的証拠に基づいて将来変更される可能性があります。

7.1.1 要件

  1. 空中散布用の液体を運搬するヘリコプター、飛行機、またはその他の有人航空機による空中散布には、次の要件が適用される。

    1. 能力のある技術者によって実施される。

    2. MSDSおよび/またはラベルの指示内容、濃度、および注意事項と一致している。

  2. ヘリコプター、飛行機、その他の有人航空機による空中散布は、以下の状況では禁止される。

    1. 農薬が、WHOの分類で「1A 人の健康に極めて有害」、「および1B 人の健康に非常に有害」に分類されている場合。

    2. 公道[7]、人間が活動している地域[8]、動物農場、水生生態系を含む自然生態系など、農場の法的境界線外の地域への農薬の空中散布。

    3. 以下のいずれかの条件が発生した場合の農薬の空中散布。

      1. 気温が30℃を超える場合

      2. 風速が時速15kmを超える場合。

      3. 気温の逆転現象がある場合。

  3. ヘリコプター、飛行機、その他の有人航空機で空中散布をする際に使用する機器は、以下の条件を満たしていなければならない。

    1. 航空機には全地球測位システム(GPS)が搭載され、GPSシステムに接続されている自動遮断弁、または手動遮断弁を装備する。

    2. 散布ブームの長さは最大で翼長の80%であること。

    3. 散布機器は、その仕様に従って最適な状態であること。

    4. 散布機器は、能力のある技術者によって6ヶ月ごとに較正され、較正記録が保管されていること。

  4. ヘリコプター、飛行機、その他の有人航空機による空中散布は、人の健康と自然生態系を保護するため、以下の要件を遵守するものとする。

    1. 第三者への通知と保護を目的とした、目に見える信号システムまたは効果的な警告メカニズムが導入されていること。これには、以下を含む

      1. 農場または団体の管理者が管理する道路の場合、空中散布の影響を受ける可能性のある人々を特定し、事前に通知する。

      2. 散布区域への立ち入りが禁止され、その区域内の道路が閉鎖され、適切な再立ち入り期間が守られること。

    2. 散布区域に隣接する地域への悪影響を緩和するための飛行計画[9]を策定する。農薬の散布は飛行計画内の決められた区域で行い、農薬散布禁止地帯が厳守されていること。飛行高度は、農作物または植生防壁の林冠から最大5メートル。

    3. 植生防壁または農薬散布禁止地帯を設定することで、隣接区域への空中飛散を防止。農薬散布禁止地帯は、少なくとも次の条件を満たす。

      1. 公道、人間の活動地域、動物農場、自然生態系(河川を除く)に隣接する幅30メートル。

      2. 河川の場合、河川堤防ごとに幅15メートルの農薬散布禁止地帯を設ける。

    4. 恒常的な[10]水がある一次または二次排水路に適用する場合。

      1. 幅6メートルまでの排水路は植生で覆われていること。

      2. それより幅の広い排水路は、認証取得後3年以内に、排水路を可能な限り覆う植生(樹木やその他の植生など)で覆うこと。より広い排水路への散布は可能な限り避けること。

      3. 排水路沿いの植栽および被覆は、認証取得後最初の3年間に実施しても良い。ただし、認証取得1年目と2年目に、排水路の少なくとも3分の1を植栽することが条件となる。

  5. 各空中散布時には、以下の内容を含む業務報告書を記録する。

    1. 対象地の位置。

    2. 散布の日時(開始時刻と終了時刻)。

    3. 有効な散布範囲の幅、機種、接頭記号(プレフィクス)、航空機の種類を含む、実施された散布方法の種類と散布機器の種類。

    4. 散布によって処理された農作物および面積(ヘクタール単位)、境界線、障害物、道路、送電網、建物、影響を受けやすい地域(人間の活動地域および自然生態系)、磁北および地理座標(少なくとも1座標)を示す地域の略図。

    5. 散布された農薬。これには、ラベル名、有効成分、各製品の濃度(1リットルあたりの量、1キログラムあたりの量、または有効成分の割合)、および各製品の散布量を含むものとする。

    6. 農薬を取り扱う者の氏名。

    7. 飛行および散布パラメーター:飛行高度、散布中の気象条件(気温の推移、風速および風向き)。

    8. 散布範囲の方向(写真)。地理参照システムによる飛行経路の位置、および散布がディファレンシャルGPS(中波帯の電波を用いてGPSの測位精度を向上させるシステムのこと(DGPS))を使用して行われたかどうかを明記。

7.2 ドローンによる空中散布

ドローンおよびその他の無人航空機(UAV)には、上記の空中散布に関する要件に加え、以下の要件が適用されます。ドローンの使用とそれに関する法規制は急速に発展しているため、これらの要件は将来的に変更される可能性があります。

7.2.1 要件

  1. ドローンによる農薬の空中散布は、散布国のすべての現行法に従うものとする。これには、一般的にドローンおよび/またはUAVに適用されるすべての法律、特にドローンおよび/またはUAVによる農薬の空中散布に適用されるすべての法律が含まれる。

  2. 農薬の空中散布に使用されるドローンは、農薬の空中散布という作業のために特別に設計・製造されたものである。ドローンは、信号が途絶えた場合に散布区域外へ飛び出さないように、操縦者のもとに戻る、その場でのホバリング、および/またはゆっくりとした垂直降下などの安全設定を備えているものとする。操縦者は、最高速度を含め、ドローンの製造者からのすべてのガイダンスに従う。

  3. ドローンによる空中散布は、この作業のために免許を持つトレーナーから特にこの作業のために訓練を受けた、免許を持つ操縦者が実施する。操縦者は、少なくとも1年間のドローン操縦の専門的な経験を有し、そのうち少なくとも6ヶ月および/または25時間の空中散布用に設計されたドローン操縦の経験を有すること。操縦者は、そのようなドローンで少なくとも年間50時間の操縦を行う。

  4. 操縦に先立ち、操縦者は使用する化学物質(ブランド名、有効成分、濃度、その濃度における有効成分に関連するあらゆる健康および環境リスク)に関する書面を受け取る。

  5. 飛行計画には、容器を補充する場所と方法が含まれるものとする。

  6. 植生防壁または農薬散布禁止地帯を設定することで、隣接区域への空中飛散を防止する。ドローンによる農薬散布禁止地帯の幅は少なくとも10メートル必要である。認証保有者は、レインフォレスト・アライアンスに対し関連する認証機関を通じて、このパラメータ内でドローンによる農薬散布の正確性を証明できる場合、農薬散布禁止地帯の幅を5メートルに縮小する例外許可を申請することができる。例外許可は、散布を行う前に申請し、承認される必要がある。

  7. 飛行前、操縦士は、航空機の回収、化学物質の清掃と保管、ドローンや化学物質の流出により影響を受ける可能性のある個人への警告を行うための手順とツールを装備するものとする。

  8. 操縦士は、許可された濃度よりも高い濃度で使用しないことを含め、使用する化学薬品の製造者からの手引きにすべて従うこと。

  9. ドローンのナビゲーションシステムと飛行計画が互いに干渉しないことを条件として、複数のドローンを同時に飛行させることができる。1人の操縦士が同時に操縦できるドローンの数は3機までとする。

  10. 農薬の空中散布が下請業者によって行われる場合、農場所有者と下請業者の間で別段の合意がない限り、ドローンの使用に関連する事故や悪影響が発生した場合、農場所有者が責任を負い、それに関連するすべての損害を軽減する責任を負うものとする。

  11. 認証保有者は、空中散布に使用するドローンが関わる事故について、少なくとも5年間、記録を保管し、審査員またはレインフォレスト・アライアンスからの要請に応じて提出する必要がある。

その他の情報

本付属文書の(第1.0版)初版日:2022年7月1日。

「拘束力のある」と記載された文書は、認証に際して遵守する必要があります。「任意」または「拘束力のない」と記載された文書は、読者が要件やその他の拘束力のある情報を正しく理解し、その実施を支援するための非義務的な情報を提供しています。

翻訳免責事項

翻訳版に記載された情報の正確な意味について質問がある場合は、英語の公式バージョンをご参照ください。翻訳により生じた誤りや意味の差異には拘束力がなく、審査や認証には一切影響しません。

レインフォレスト・アライアンスの書面による事前の同意なしに、本付属文書の複製、変更、配布、または再発行をすることは固く禁じられています。

詳細について

レインフォレスト・アライアンス認証の取得については、カスタマーサクセスチーム(customersuccess@ra.org)までお問い合わせください。

レインフォレスト・アライアンスの詳細については、http://www.rainforest-alliance.org にアクセスするか、info@ra.orgまたは レインフォレスト・アライアンス アムステルダム事務所(Rainforest Alliance Amsterdam Office, De Ruijterkade 6, 1013AA Amsterdam, The Netherlands)にお問い合わせください。

  1. 農薬の管理に関する国際行動規範、毒性の高い農薬に関するガイドライン、FAO/WHO、2016年。

  2. ブロモキシニルとそのエステル(ブロモキシニルブチレート、ブロモキシニルヘプタノエート、オクタン酸ブロモキシニル)は、2021年12月17日発行の第1.3版で、生殖毒性1BとしてGHS分類が更新されたため、リスク軽減リストから禁止リストに移動しました。この変更の実施を促進するため、2022年12月17日まで1年間の段階的な廃止期間が設けられています。

  3. ジメトモルフは、GHS分類の更新により、2021年6月30日の第1.2版の禁止リストに追加されました。 この変更の実施を促進するため、2022年6月30日まで1年間の段階的な廃止期間が設けられています。

  4. マンゼブは、GHS分類の更新により、2021年6月30日の第1.2版でリスク軽減リストから禁止リストに移動しました。この変更の実施を促進するため、2022年6月30日まで1年間の段階的な廃止期間が設けられています。

  5. チアクロプリドは、GHS分類の更新により、2021年6月30日の第1.2版でリスク軽減リストから禁止リストに移動しました。この変更の実施を促進するため、2022年6月30日まで1年間の段階的な廃止期間が設けられています。

  6. ポール・C・ジェプソン他による論文「人と環境の健康リスクを低減する農薬の選択」、『Lancet Planet Health』、2020年2月号。DOI: https://doi.org/10.1016/S2542-5196(19)30266-9

  7. 利用可能な場合、この用語および道路に関するその他の用語の解釈は、適用される法的定義に基づきます。この要件の目的は、人に散布されないことを確実にすることです。これは、道路沿いに農薬散布禁止地帯を設定するか、道路を閉鎖することで実現できます。農場区域内の道路で、外部の人が時々通るような道路であれば、どちらの方法を選んでも構いません。

  8. 人が現れる可能性がある地域。

  9. 飛行時間、飛行経路、速度、高度、気象条件、その他安全な飛行に必要な関連事項を含む、飛行計画の主要データを記載した書面。

  10. 恒常的な水とは、通常、年間を通して排水溝に水があることを意味します。ただし、エルニーニョのような例外的な気象現象が発生した場合は、一時的に水が途切れることがあります。


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