レインフォレスト・アライアンス認証の概要

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1.レインフォレスト・アライアンス認証の概要とその現状

レインフォレスト・アライアンスへようこそ。本マニュアルおよびKnowledge Hubに掲載されているその他資料は、単一の農場を管理している方、農場生産者団体を統括している方、あるいは認証製品のサプライチェーンに携わる方など、あらゆる立場の方に向けて、レインフォレスト・アライアンス、そのオンラインプラットフォームの仕組み、認証プログラムやその他のサービスへの関わり方についてご案内しています。

まず、レインフォレスト・アライアンスの中核デジタルポータルである「MyRA」をご紹介します。MyRAは、当団体の全サービスにアクセスできる唯一の窓口です。MyRAでは、組織登録、チーム管理、以下のような主要サービスへのアクセスができます。

  • 認証プラットフォーム(認証申請および審査準備用)

  • 商標申請プラットフォーム(レインフォレスト・アライアンス認証マーク使用管理)

  • トレーサビリティプラットフォーム(製品フロー管理用)

  • 欧州森林破壊防止規則(EUDR)

すべてはMyRAから始まります。ここから、組織の役割と目標に関連するサービスにアクセスできます。

2.レインフォレスト・アライアンス認証とは?

レインフォレスト・アライアンス認証プログラムは、農業とサプライチェーンにおける持続可能性の向上を促す保証システムです。このプログラムは、生計の向上、人権保護、生物多様性の保全を目的としています。

認証は責任ある事業活動を支えます。認証への参加は、人と自然がともに豊かに生きる世界を目指すグローバルな同盟の一員となることを意味します。

レインフォレスト・アライアンス認証プログラムには、以下の認証が含まれます。

  • 農場向け認証:持続可能な農業手法に取り組む農業生産者や森林コミュニティ向け

  • サプライチェーン組織向け認証:レインフォレスト・アライアンス認証製品を購入・取り扱い・販売する企業向け

認証取得の方法について詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。

3.認証に関わる主要関係者

認証プロセスには複数の主要関係者が関与します。それぞれが認証システムの中で明確な役割を持ち、特定の責任を負い、またレインフォレスト・アライアンスのオンラインプラットフォームへのアクセス権を有します。

MyRAで組織を設定をする際、認証保有者の取り組みの一環として、貴組織がレインフォレスト・アライアンスのシステム内で行う、関連する機能または活動をすべて選択するよう求められます。

各関係者の詳細については、以下でさらに詳しく説明します。

  1. 認証保有者(申請予定者を含む)

    1. 農場

    2. サプライチェーン組織

  2. 認証機関

  3. 第三者

    1. デザイン会社

    2. トレーナーパートナー

3.1 認証保有者

3.1.1 農業組織

推定生産量に寄与する農業活動に従事する組織のことを指します。単一農場、複数農場、または農場団体として運営される形態があります。

農場認証保有者には、以下の組織が含まれます。

  • 個別農場

  • 中央組織によって管理される農場の団体

  • 複数拠点で運営する農場管理会社

初めて認証を申請する場合でも、認証を維持する場合でも、レインフォレスト・アライアンスのシステム内では認証保有者として扱われます。

認証保有者は、自組織内の運営において、レインフォレスト・アライアンス持続可能な農業基準の実施と維持に責任を負います。また、認証準備、継続的な準拠、関連する全プロセスを管理する上で、重要な役割を担います。

認証保有者の責任には、以下が含まれます。

  • 農場および拠点データの提供

  • 地理位置情報ファイル(ポリゴン)のアップロード

  • 自己査定および指標データの入力

  • 審査準備・フォローアップのための認証機関との連携

3.1.2 サプライチェーン組織

サプライチェーン組織は、認証製品の取引や加工から、製造、最終販売に至るまでのサプライチェーン全体において、認証製品を監督する企業を指します。

これには以下が含まれます。

  • 取引業者

  • 製造業者

  • 加工業者

サプライチェーン組織は、農場から出た後の認証製品の移動と完全性を担い、トレーサビリティおよびCoC(管理の連鎖)を維持する上で重要な役割を果たします。

サプライチェーン組織の認証保有者として、以下の責任を負います。

  • 認証範囲の定義

  • 施設および活動内容の提供

  • トレーサビリティの管理

  • 自己査定の実施

  • 認証機関との連携、または条件を満たす場合は承認のプロセスの実施

3.2 認証機関

認証機関は、農場およびサプライチェーン組織がレインフォレスト・アライアンスの基準を満たしているか評価する役割を担う、独立した認可組織です。準拠状況の検証、審査の実施、認証判断の発行において中心的な役割を果たします。

認証機関は地域ごとに運営されています。貴組織の事業拠点に基づき、プラットフォームでは認証プロセスの一環として、契約可能な認証機関の一覧が表示されます。

認証取得の全過程(申請、審査準備、是正措置、更新までの認証プロセスの全過程において、認証機関とやり取りを行います。

認証機関が責任を負うのは、以下の範囲です。

  • 提出データおよび文書の審査

  • 遠隔または現地審査の実施

  • 審査所見の提示および是正措置の指導

  • 準拠の程度に基づく認証判断

3.3 第三者

第三者は、MyRAプラットフォーム内の特定業務において認証保有者を支援する外部パートナーです。

これには、次のような組織が含まれます。

  • デザイン会社:クライアント組織に代わって、食料製品のパッケージ、ブランディング、マーケティング資料などを作成・開発

  • トレーナーパートナー:認証保有者を現地訪問し、レインフォレスト・アライアンスのシステム利用を支援

:第三者自体は、認証保有者ではありません。ただし、主要な認証保有者は役割の委任を通じて、第三者にプラットフォームへのアクセス権を付与することができます。

4.MyRAプラットフォームが認証プロセスを支援する仕組み

認証取得への準備を始める際は、すべてMyRAからスタートします。MyRAは、認証を含むレインフォレスト・アライアンスの各持続可能なサービスにアクセスするための中央ポータルです。

アカウント登録から組織プロフィールの作成まで、認証・トレーサビリティ・商標申請など、必要なすべてのサービスをMyRAが一箇所で提供します。認証申請の提出、審査の準備、農場データの入力といった重要なステップを進める際には、MyRAが手順を案内し、適切に進められるようサポートします。

また、MyRAは認証プロセスの各部分を管理する専門モジュールとシームレスに連携しています。そのため、個別にログインしたり複数のプラットフォームを管理したりする必要はありません。MyRA がすべてをつなげ、安全かつ簡単に操作できるようにしています。

MyRAの主な機能:

  • 組織の中央プロフィール作成を支援

  • 管理者(Administrator)によるユーザーと役割の管理を可能に

  • レインフォレスト・アライアンスのサステナビリティサービス全体へのアクセスを提供

  • サービスを利用する上での主要な基本操作を案内

  • 各サービスに関連するデータの提出・確認用専門モジュールへの接続

さまざまなサービスを利用する中で、画面やレイアウトが異なる場合がありますが、これはMyRAが必要な作業を適切なツールで完了できるようにサポートしているためです。データの提出や範囲の確認など、すべての操作はMyRAのプロフィールと組織に紐づいています。

注:認証プロセスのどの段階にいるのか分からなくなった場合は、MyRAから認証ダッシュボードに戻るか、Knowledge Hubに掲載されているユーザーマニュアルをご参照ください。プロセスのどの時点でも必要な次のステップが示されています。

5.MyRAユーザーマニュアル

MyRAオンラインシステムおよびレインフォレスト・アライアンスの各種サービスをスムーズに操作できるよう、順を追って案内するユーザーマニュアルをご用意しました。このマニュアルは、初めて認証を申請する場合でも、毎年の更新を管理する場合でも、各段階での成功を支援します。

各ユーザーマニュアルは、特定の対象者向けに以下の2種類があります。

  • 農場向け認証

  • サプライチェーン組織向け認証

6.欧州森林破壊防止規則(EUDR)

6.1 EUDRとレインフォレスト・アライアンスの関係について

EU森林破壊防止規則(EUDR)は、グローバルなサプライチェーンに関連する森林破壊と森林劣化の削減を目的とした欧州連合の新たな法律です。

2025年12月30日以降、EU市場に特定の商品を流通させる(またはEUから輸出する)企業は、自社の製品が2020年12月31日以降の森林破壊や森林劣化に関与していないことを証明する必要があります。

貴組織がカカオまたはコーヒーを取り扱っている場合、認証プロセスの中で、レインフォレスト・アライアンスのEUDR準拠要件に基づく評価が自動的に実施されます。

この評価は、以下のとおりです。

  • すべてのコーヒーおよびカカオの認証保有者に義務付けられる

  • 認証時に収集されたデータ(例:農場の位置情報、作物データ、森林破壊リスク)に基づく

  • レインフォレスト・アライアンス認証プラットフォーム(RACP)で自動的に実施。別途EUDR申請は不要

EUDR準拠要件への不適合があっても、認証が取り消しになることはありません。ただし、すべてのコーヒーおよびカカオの認証保有者は、この評価を受ける必要があります。

また、カカオまたはコーヒーを取り扱う場合、EUDR準拠要件に基づく評価を免除されることはありませんが、EUDR関連データの外部共有については、拒否を選択することができます。

7.レインフォレスト・アライアンス用語集

以下の表は、RACPを利用する際に頻繁に使用される用語と略語、およびその意味を示しています。これらの用語を理解することは、登録を正確に完了するためにも必要です。

レインフォレスト・アライアンス2020認証プログラムの文書およびツールで使用されている用語の説明については、オンライン用語集もあわせてご覧ください。

7.1 一般用語集

用語

定義

農業組織

推定生産量に寄与する農業活動に従事する組織。単一農場、複数農場、または農場団体として運営される形態がある。

サプライチェーン組織

認証製品の取引・加工・製造・最終販売に至るまでのサプライチェーン全体で認証製品を管理する、農場以外の組織。

中央管理場所 (CML)

ほとんどの管理活動が行われる場所。認証取得と維持のために必要なプロセスと手順の管理が含まれる。

認証範囲

認証保有者の認証の対象となる一連の作業、手順、関係者および製品。

認証の概要

認証保有者がRACP上で「認証範囲」に関する情報を提出できるセクション。

認証プロファイル

認証保有者がRACP上で「認証範囲」に関する情報を提出できるページ。

拠点 / 施設

農場またはサプライチェーン組織に属する地理的に独立した拠点。特定の数および種類の業務が実施される場所を指す。

下請業者

認証製品に対して 1 つかそれ以上の特定の作業を委任するために契約した組織または個人(製品の加工、保管、包装、および/またはラベル付けなど)。

サブライセンシー

1つの使用許諾契約で複数のサブライセンシーと呼ばれる事業体を取り扱うことができる。許諾されたサブライセンシーは、貴組織によって締結された使用許諾契約書の権利と義務を継承する。

農場

レインフォレスト・アライアンス認証が適用される農場の地理的範囲の下で、農業生産および加工活動に使用されるすべての土地と施設。農場は、共通の管理組織の下にある場合、一つの国におけるいくつかの隣接する、または地理的に離れた農場単位から構成される場合がある。この地理的範囲に含まれるすべての農場単位は、認証されたものとして販売される予定の農作物とその他の農作物の両方を含めて、レインフォレスト・アライアンス持続可能な農業基準に準拠している必要がある。

生産者

営利目的で、または本人またはその家族を維持するために、農業事業を所有および/または運営する人物(男性または女性)。

審査

認証保有者がレインフォレスト・アライアンス認証プログラムの要件を遵守しているかどうかを判断するために、認定された認証機関が実施する正式な第三者評価。審査プロセスには、文書レビュー、現地訪問、労働者へのインタビュー、農場またはサプライチェーンデータの検証が含まれることがある。ほとんどの認証保有者は、認証の付与または更新前に審査を受けることが義務付けられている。

位置情報データリスク査定

レインフォレスト アライアンスが開発した GIS ツールで、基準要件への準拠と期待される持続可能性に向けられた成果を危うくする可能性がある森林伐採と保護区域への侵入のリスクを特定する。

小売 / ブランドオーナー

店舗、市場、またはオンラインで、ブランド名のもと完成食品を消費者に販売または売り込む事業者。(製造や加工活動は含まれない)

デザイン会社

クライアント組織に代わって、食料製品のパッケージ、ブランディング、マーケティング資料などを開発する会社。

7.2 農場用語集

用語

定義

単一農場

管理とすべての活動をひとつの物理的な場所で行う、独立した組織構造を持つ農場に適用される。この農場は個別に認証される。このカテゴリのほとんどの農場は大規模農場だが、小規模農場でも同じカテゴリの認証となる場合がある。なお、単一農場の認証であっても、組織の範囲と認証範囲に管理拠点を追加する必要があるので注意が必要。

複数農場

同じ個人または組織が、所有もしくは賃借している2 つ以上の農場を、まとめて認証取得したい場合に適用される。農場が同じ個人または組織によって所有または賃借されていない場合は、生産者団体認証もしくは、単一農場認証として各農場を個別に認証することができる。

位置情報データ

レインフォレスト・アライアンス認証保有者の地理的位置および農場、農場単位、その他の施設の境界を特定するデータ。位置情報データは、一般的に個々の地点(管理地境界を含む)または関連エリアの境界全体を定義するポリゴンのいずれかを使用して GPS(全地球測位システム)マッピングによって収集された座標で表される。

生産者団体 / 農場団体

1 つの組織によって所有または賃借されていないが、共有の管理システムを有している農場。生産者団体は、協会または協同組合として組織されることも、農場または輸出業者などの他のサプライチェーン組織によって管理されることもある。個別に認証を受ける手段がない小規模農場に最も適している。ただし、大規模農場であっても団体を形成したり、団体の一員となる場合もある。

団体責任者

レインフォレスト・アライアンスの認定した認証機関との認証契約を締結する主体。団体の内部管理システムおよび、すべての構成員である農場の管理システムの開発・実装に責任を負う。また団体責任者は、構成員となる農場が基準に遵守していることを保証する役割を担う。

団体構成員登録(GMR)

拘束力のある定型文書。農場認証保有者、特に生産者団体認証に該当する場合、審査の準備として、団体構成員に関する内部監査で得た関連データを RACP にアップロードを行う。

指標

改善要件に関連付けられている変化の測定・監視を目的として、または主要要件に関連する組織の対応範囲と成果の評価を目的として基準に含まれている定量的または定性的なデータ。認証保有者は、適用指標データを毎年報告することが求められる。

大規模農場

正規労働者が10人以上の農場。

7.3 サプライチェーン組織用語集

用語

定義

複数拠点組織(マルチサイト)

レインフォレスト・アライアンス認証の範囲に農業を含まず、特定された中央管理拠点のもとで2つ以上の拠点(サイト)が運営しているサプライチェーン組織。

下請業者

認証製品に対して1つかそれ以上の特定の作業を委任するために契約した組織または個人(製品の加工、保管、包装、および/またはラベル付けなど)。

SCRA

保証システムの一環として、アカウント作成およびプロファイル記入手順に組み込まれているサプライチェーンリスク査定(SCRA)を通じて、データが収集される。SCRAは、必要な検証の種類と頻度を決定するために、個々の拠点レベルでの組織の業務における潜在的リスクを評価する。

検証レベル

検証レベルとは、サプライチェーンリスク査定(SCRA)の結果のことで、必要な検証の種類、強度、および頻度を規定する。

エンドースメント(認証代替手続き)

サプライチェーン内でリスクが低い役割を担う適格なサプライチェーン組織に利用可能な、認証代替方式。審査を受ける代わりに、レインフォレスト・アライアンスがこの組織の申告した活動内容と範囲に基づいて承認する。エンドースメントによって、認証機関による正式な審査を受けることなく、認証ステータスおよび認証サービス(例:トレーサビリティ)へのアクセスが可能となる。