
文書名: | レインフォレスト・アライアンス例外的な使用に関する方針:禁止農薬の使用において認められる例外とその使用条件 |
文書コード: | A-12-SRCL-B-FA |
発行: | 第1.9版 |
対象者: | 農場認証保有者 |
執行力: | 拘束力を有する |
発効日: | 2026年1月1日 |
失効日: | 2028年12月31日 |
公開日: | 2025年11月25日 |
関連文書(該当する場合、文書の番号と名称) | A-1-S-B-FA-V1.4 レインフォレスト・アライアンス持続可能な農業基準、農場要件 A-33-R-B-FA-V1.0 レインフォレスト・アライアンス再生農業基準 A-07-SCRL-B-FA-V1.3 付属文書 農業 |
差し替え文書: | A-12-SRCL-B-FA -V1.8 レインフォレスト・アライアンス例外的な使用に関する方針:禁止農薬の使用において認められる例外とその使用条件 |
本文書の内容について
本文書は、レインフォレスト・アライアンスの例外的な使用に関する方針(以下、EUPとする)を示すものであり、特定のレインフォレスト・アライアンス禁止農薬の使用が一時的に許可され得る限定的な条件を定義するものです。この方針は、認証保有者がそのような農薬を使用する際、責任をもって、正当な理由に基づき、かつ期間と範囲を限定して実施するために遵守すべき基準、義務、緩和措置を定めています。
本EUPは、レインフォレスト・アライアンス「持続可能な農業基準」、「再生農業基準」、および「付属文書 農業」を補完するものです。特に再生農業を実施している認証保有者に対しては、段階的な農薬削減計画(専門要件4.6.16)を支援するための指針を提供し、毒性の高い農薬(HHP)の責任ある管理を確保します。
本文書を用いるべき時と使い方
認証農場における農薬使用の実施、評価、または審査に関与する認証保有者、認証機関、およびレインフォレスト・アライアンス職員は本文書を使用しなければなりません。レインフォレスト・アライアンス基準の基本要件4.6.2および再生農業基準の専門要件4.6.16への準拠を確保するための重要な参照文書です。
EUPは、次の場合に参照する必要があります。
「付属文書 農業」で定められた手続きに従って、農薬の例外的な使用を準備または判定する場合。
再生農業のための統合的病害虫管理(IPM)戦略および段階的な農薬削減計画を策定または更新する場合。
内部点検または認証審査の際に、農薬使用に関する軽減措置を再調査または検証する場合。
レインフォレスト・アライアンスが求める年間農薬使用報告書を作成する場合。
第1.8版から第1.9版への改訂による変更点
項目 | 変更内容 |
1.1 毒性の高い農薬(HHP)の段階的廃止期間の延長 | 以前の「概要」の内容が「はじめに」に統合され、第1.1項として再編成されました。 |
3.4 殺虫剤/殺ダニ剤 | アバメクチン
イミダクロプリド
|
3.6 殺菌剤 | テトラクロロイソフタロニトリル
マンゼブ
|
2.一般条件 | 認証保有者が過去の使用報告書を提出していない場合、新しい例外的な使用の申請は審査されないことが明確化されました。 |
1. はじめに
健康で回復力のある農業生態系は、農薬への依存を最小限に抑えて構築・維持することができます。適正農業規範と統合的病害虫管理(IPM)の活動内容を実施することで、生産者は人間と環境の健康を守りながら、長期的な病害虫駆除を実現することが可能です。世界的に(農薬の)低投入型農業への移行が進められているものの、多くの農業モデルは、人や生態系に有害であることが知られている毒性の高い農薬(HHP)を含む農薬に依存しているのが現状です。
この例外的な使用に関する方針(EUP)の目的は、レインフォレスト・ アライアンス(RA)基準と並んで、毒性の高い農薬(HHP)の使用を段階的に廃止していく過程で生産者のニーズに対応することです。そのため、EUPはレインフォレスト・アライアンスの禁止農薬リストに含まれる特定の農薬の使用を、限定的に例外として認めています。例外は、特定の農作物、病害虫、国の組み合わせに対して、特定かつ限定的な期間に限り認められます。例外が認められるのは、毒性の高い農薬(HHP)に代わる実行可能な代替品がない場合、および問題の有効成分の使用を制限することで農場の経済的存続が阻害される場合のみです。さらに、例外が認められる場合、生産者は人や環境への悪影響を最小限に抑えるための厳格なリスク緩和措置を実施しなければなりません。加えて、生産者はより毒性の低い代替品を積極的に探さなければなりません。
EUP申請の審査および例外を認める過程では、特定の農業生態学的・経済的状況、生産者のニーズ、病害虫の影響力、利用可能な代替品について徹底的に分析します。この分析は、レインフォレスト・アライアンスのIPMチームと、関連分野の持続可能な生産について幅広い知識を持つ外部の科学者や技術専門家の有識者団によって実施されます。登録農薬や最大残留基準値に関する国別のデータは、Homologa(https://homologa.com/)やGlobal Crop Protectionデータベースなどの外部ツールも使用して評価されます。
重要事項
EUPは、「付属文書 農業」に記載された手順に従い、認証生産者から送られた申請をもとに作成されます。申請は、前述の通り処理および分析されます。最終的な決定は、外部の有識者団が慎重に検討した上で、RAのIPMチームの多数決によって下されます。EUPは前半期に寄せられた申請をもとに、半年ごとに更新されます。
ロッテルダム条約、ストックホルム条約、モントリオール議定書において有害と分類されるパラコート、フィプロニル、および他の有効成分の例外は認められません。これは、レインフォレスト・アライアンスのIPM戦略と持続可能な農業の目的に沿った方針です。
レインフォレスト・アライアンスの統合的病害虫管理のアプローチおよびEUPの過程についての詳細は、当団体のウェブサイトをご覧ください。
1.1 段階的廃止期間の延長中における暫定措置
低投入型農業への移行に向けた取り組みが進められているにもかかわらず、多くの作物は依然として病害虫や病気に対して非常に脆弱であり、毒性の低い代替品の入手も依然として限られています。その結果、毒性の高い農薬(HHP)への依存が続いているのが現状です。安全かつ実現可能な解決策の開発と拡大が現在進められていますが、HHPの段階的廃止の期限を2026年/2028年に延長する案は、即時かつ断固とした対応が求められていることを示しています。
この移行期間中、生産者は人の健康と環境への危害を最小限に抑えるための強力な緩和策を講じなければなりません。生産者は、毒性の低い農薬の使用を積極的に優先し、代替的な病害虫防除手法を採用し、統合的病害虫管理(IPM)手法を拡充して、化学薬品への依存度を低減することが不可欠です。HHPの継続使用は最終手段としてのみ認められるべきであり、その完全廃止に向けた具体的な取り組みを今すぐ開始しなければなりません。
1.1.1 マンゼブの段階的廃止期間を延長
黒斑病または黒シガトカ病(Pseudocercospora fijiensis)は、バナナ栽培に深刻な脅威をもたらし、輸出向けの生産だけでなく、地域住民の暮らしに不可欠な品種にも影響を及ぼしています。経済的に最も打撃を与えるバナナの葉の病害である黒斑病(BLS)は、農園全体を壊滅させる可能性さえあります。この病害はバナナの葉を枯死させ、収穫量と品質を著しく低下させ、早熟を引き起こし、果実の大きさ・重量・充実度に悪影響を及ぼします。
商業用に生産されるバナナの遺伝的な均一性と一般的な栽培条件は、その脆弱性をさらに高めています。そのため、商業用バナナの生産には、耕種的防除法と化学的手法を組み合わせた、厳格な病害管理が必要です。
耕種的防除法には、次のような取り組みが含まれます。
壊死した葉の除去による衛生管理で、感染源のレベルを下げる。
効率的な排水システムにより、作物の湿度を下げる。
定期的な雑草管理および緑被の維持。
作物の適切な栄養管理。
この状況において、化学的防除は不可欠です。黒斑病(BLS)の防除に承認されている殺菌剤は、接触型(保護的)殺菌剤と浸透移行型殺菌剤の2種類に分類されます。特にベンゾイミダゾール系に属する浸透移行性殺菌剤は広く使用されていますが、カーバメート系殺菌剤と併用した場合でも耐性菌のリスクが高いという問題があります。一方で、接触型殺菌剤、特にマンゼブのような多作用点を持つ薬剤は、耐性リスクが低く、広範囲の病原体に有効であるため、欠かせない重要手段となっています。
2. 一般条件
本節では、レインフォレスト・アライアンスの例外的な使用に関する方針(EUP)に基づき、該当農薬の例外的使用を行う認証保有者(CH)に適用される一般的な条件および責任について概説します。これらの条件は、レインフォレスト・アライアンス持続可能な農業基準(SAS)および再生農業基準(RAS)に沿って、毒性の高い農薬(HHP)の責任ある、限定的かつ安全な使用を確保する上で不可欠なものです。これらの条件を遵守することは、農薬使用の段階的な削減と責任ある管理を支援し、人の健康と環境の健全性を保護します。
2.1 遵守と責任
本方針の条件または要件のいずれかに準拠しない場合は、レインフォレスト・アライアンス持続可能な農業基準および再生農業基準の基本要件4.6.2に対して不適合とみなされる。
例外は、「許可された例外」の項目の表に規定された、特定の農作物・病害虫・国の組み合わせ対してのみ、および期間について認められる。
認証保有者は、2028年までにEUPで指定されている農薬への依存を解消することを目指さなければならない。
2.2 農薬管理と施用
認証事業者は、本方針に記載されている農薬の準備と施用に関するラベル、製品安全データシート(MSDS)、セキュリティタグの情報および要件に従わなければならない。
本方針に記載されている有効成分を使用する認証事業者は、特に以下に重点を置き、それぞれのIPMおよび農薬管理の要件に準拠すること。
病害虫の予防と監視(要件4.5.1)
研修とPPEの使用(要件4.6.3)
立ち入り制限と農薬散布から収穫までの適切な間隔の設定・実施(要件 4.6.5)
農薬の飛散低減(要件4.6.6)
空中散布に関する要件(要件 4.6.7)
空の農薬容器と散布装置の管理(要件4.6.9)
農薬の保管(要件4.6.11)
農薬の保管(要件4.6.12)(持続可能な農業基準のみ)
本方針に記載されている有効成分は、抵抗性管理戦略の一環として、異なる分類に属する毒性の低い物質と交互に使用する。
本方針に記載されている有効成分を使用する生産者は、最大限の効果を得られ、無駄を抑えて、農薬の飛散を低減するために最適な農薬散布装置と技術を選択する。液体スプレーを使用する場合、正しいノズルタイプを採用する。装置の較正は、少なくとも年 1 回、各メンテナンスの後、また異なる種類の農薬を使用する前に行う。
生産者は、製品の生産国および既知の仕向国によって設定された最大残留基準値(MRL)を遵守する措置を講じなければならない。
本方針に記載されている有効成分を定期的に取り扱う労働者は、少なくとも年1回の健康診断を受ける。有機リン系またはカーバメート系農薬[1][2]に定期的にさらされる場合は、コリンエステラーゼの検査が含まれること。労働者は健康診断の結果を知ることができる(要件5.6.16)。
集団経営の農場の場合、散布は一元化された専門の散布チームによって実行される。
葉病の防除を目的とした、本方針に含まれるトリアゾール系農薬(シプロコナゾール、エポキシコナゾール、プロピコナゾール、トリアジメノール)の土壌への施用は禁止とする。これらの物質を使用する場合は、最も正確かつ効果的な方法で施用し、汚染リスクを最小化しなければならない。詳細については、以下の技術文書をご参照ください。コーヒーノキ葉さび病(Hemileia Vastatrix)防除のためのトリアゾール系薬剤の使用について|レインフォレスト・アライアンス(rainforest-alliance.org/ja/)
農薬の施用は、病害虫のモニタリング結果および設定された閾値に基づいて行う必要がある。施用範囲は影響を受けた区域に限定さればならない。記録には、施用の正当性を示さなければならず、病害虫の発生状況、閾値、および関連する気候条件を明記するものとする。
2.3 年間農薬使用報告書
本方針に記載されている有効成分を使用する認証保有者は、毎年1月1日から12月31日までの使用データを収集し、所定の年間農薬報告書の様式を用いて、翌年の2月末までにレインフォレスト・アライアンスに提出する必要がある。
報告書には、農場の具体的な条件(例:トラクターキャビンの種類、散布時間など)に明確に即したかたちで実施された緩和措置を含める必要がある。
また、使用報告書には、統合的病害虫管理(IPM)計画に関する具体的な情報を記載しなければならず、農場の状況および実施されたIPM戦略を説明できる十分な詳細を含むこと。
なお、認証保有者が前年の使用報告書を提出していない場合、新しい例外的な使用の申請は審査対象外となるため留意すること。報告書には、農薬施用の正当な理由を明記し、農薬使用削減に向けた測定可能な進捗を示さなければならない。
不適合または農薬の不適切な使用の疑いがある場合の追加措置
農薬の不適切な使用に関する申し立て、もしくは根拠のある疑い、またはレインフォレスト・アライアンス持続可能な農業基準の基本要件4.6.2に関連する不適合の履歴がある場合、レインフォレスト・アライアンスは認証保有者に対して、影響を受けた生産区画における農薬残留検査の実施を求める権利を有する。また、この検査は信頼できる独立機関によって実施されなければならず、その費用は認証保有者の負担とする。検査結果は評価のために、サンプル採取日から30日以内にレインフォレスト・アライアンス宛(ipm@ra.org)に提出されなければならない。
2.4 専門要件4.6.16への準拠を確保するための検証機構
レインフォレスト・アライアンス再生農業基準に従うことを選択した認証保有者(CH)は、基本要件4.6.2および専門要件4.6.16の双方を遵守しなければならない。
2.4.1 農薬の段階的削減計画
専門要件4.6.16(例外的な使用に関する方針(EUP)の例外および緊急要請の両方に関する規定)に沿って、再生農業を実践している認証保有者(CH)は、農薬依存の削減における測定可能な進捗を示さなければならない。
本節では、特に段階的削減に焦点を当てており、「付属文書 農業」および例外的な使用に関する方針(EUP)にすでに詳述されている規定を補完するものであり、重複するものではない。
追加条件
認証保有者は、農薬の使用量、毒性レベル、またはその両方の観点から、今後数年間にわたっての農薬の段階的削減計画を策定し、実施しなければならない。この計画には、病害虫ごとの代替手段の分析、翌年度の目標、実施進捗の説明を含める必要がある。また、以下のいずれか1つ以上の戦略を考慮するものとする。
環境への影響および健康リスクが低いことが実証されている農薬の使用を優先する。
レインフォレスト・アライアンスの「付属文書 農業」で定義された毒性の高い農薬(例外的な使用に関する方針の下でのみ使用が認められている農薬を含む)について、使用頻度を減らす、または両方の手法を組み合わせることにより、使用量を段階的に減らす。
生物的、耕種的、物理的な防除手段を統合し、合成農薬への依存を減らす。
統合的病害虫管理(IPM)戦略を実施し、農薬使用の必要性を低減させる。モニタリング、サンプリング、閾値に基づき、必要不可欠な場合にのみ農薬を使用する。
技術指針に従い、推奨用量または(空間的・時間的選択性が高い)改良された散布方法を用いて、農薬の施用を最適化する。
農薬の段階的削減計画の要件
計画は毎年更新し、測定可能な進捗を示さなければならない。
計画には、統合的病害虫管理の進展を取り入れ、翌年度の計画を含める必要がある。
実施上の困難を理由に、同一の計画を連続したサイクルで繰り返し提出することは認められない。そのような場合、認証保有者(CH)は、再生農業認証に必要な条件をまだ満たしていないと見なされる。計画には、これらの有効成分使用の段階的廃止を2028年12月31日までに完了するための、明確に定義された措置を含める必要がある。
2.5 再生農業基準の遵守に関する検証および監視措置
要件4.6.16の特定の要件を遵守することに加え、レインフォレスト・アライアンスは、特に農薬削減の取り組みに関して、再生農業の原則との整合性を確保するために、補完的な検証措置を適用する場合があります。
レインフォレスト・アライアンス再生農業基準に基づく認証を申請する認証保有者(CH)に対しては、農薬削減計画の進捗状況を確認するため、または再生農業基準の一般的な遵守を確保するために、試験が求められる場合がある。この試験は、レインフォレスト・アライアンスのIPMチームが定めた特定の要件に従い、認証保有者(CH)の費用負担で、該当する生産区画で実施されなければならない。認証保有者は、試験結果をサンプル採取日から30日以内にipm@ra.org宛に提出する必要がある。
さらに、認証保有者は、使用した有効成分、機器の較正作業、使用した器具、散布者への研修、病害虫モニタリングの取り組み、実施された生物的または耕種的代替手法に関する情報を含む、すべての農薬散布に関する詳細な記録を保持しなければならない。
団体認証においては、団体管理者は、再生農業における農薬削減要件の遵守を積極的に確保しなければならない。これには、団体構成員の研修、生産者団体全体での農薬削減計画の設計と調整、構成員レベルでのモニタリングの実施、および関連する全ての記録・データを提出のために集約することが含まれる。
3. リスク軽減策
3.1 殺鼠剤のリスク管理要件:
ネズミ類の餌となるもの、ゴミを排除する。
ネズミ類の繁殖場所をなくす、または減らす。
排水路の手入れをきちんと行い、水の流出に対して排水機能が働き、水が滞留しないようにする。
機械または微生物を利用いた防除方法、あるいはビタミンDによる防除方法が有効でないことが証明された場合にのみ、殺鼠剤を使用する。
ネズミ類の死骸は手袋をつけて取り扱い、人間や野生動物の健康、水質汚染へのリスクがない場所に埋める。
ネズミ類の防除のための猛禽類が止まりやすいよう、農場内に木や人工物を戦略的に配置する。[3]
ネズミ類を追い払う効果のある植物を非生産範囲に植える (例: Petiveria alliacea, Allium属, Cinnamomum camphora, Viburnum属, Euphorbia属, Artemisia absinthium または Mentha spicata)
3.1.1 餌付き捕獲器に関する追加要件:
餌付き捕獲器は、いたずら防止機能付きで固定できるもの、対象となる有害生物のみの侵入を可能にする方式と大きさで作られていること。
餌付き捕獲器は毎週検査すること。
ネズミ類の活動が低下している、または餌を食べた形跡がない場合は、餌付き捕獲器を除去するか、餌の量を減らす。
餌付き捕獲器は水生生態系から最低10mの距離をおいて設置する。
3.1.2 ペレット製剤に関する追加要件:
鳥が餌と混同しない製剤のみを使用する。
日常的な使用は禁止。
フェンスやその他の効果的なセキュリティ対策を講じることにより、見物人の立ち入りを回避する。
ペレットは水生生態系から最低10mの距離をおいて設置する。
3.2 急性および慢性毒性を有する物質に関するリスク管理要件:
50歳未満の女性は、これらの農薬の散布は行わず、散布場所には立ち入らない、または近寄らない。
個人防護用具(PPE)は製品のラベルまたは製品安全データシート(MSDS)の記載どおりに着用する。ラベルにPPEに関する詳細が農薬散布者のために記載されていない場合は、目を保護するもの(フェイスマスクやゴーグルなど)、および呼吸用保護具(防毒マスクなど)を備えた基本的な防護服を着用。
製品のMSDS、ラベルまたはセキュリティタグに規定された立ち入り制限期間(REI)を実施し、PPEを着用せずに農薬散布区域に入る者を保護する。REI が異なる2つ以上の製品が同時に使用される場合、最も長い間隔が適用される。
散布者の1日の最大散布時間は8時間、最大4時間ずつの2シフトとし、散布時間の間には残留物を洗い流すために入浴し、シフトごとに清潔なPPE衣類を着用する。散布は一日のうちで最も涼しい時間帯に行われる。
影響を受ける可能性のある人たちまたはコミュニティを事前に特定し、散布前に警告する。散布された範囲を明確に示すために、わかりやすい旗や標識を使い、散布場所への立ち入りを禁止する。
3.3 深刻な影響(花粉媒介者に対する毒性)を有する物質に関する一般的なリスク管理要件:
生産者はこれらの物質について、花をつける農作物には散布せず、花をつける雑草への飛散を防止し、益虫(天敵や花粉媒介者)が好む農作物を覆い保護する。
益虫を監視し、その結果に基づいて散布時期を決定する。活動量が高い時間帯の散布は避ける。花粉媒介者の活動量が低い時間帯である午後6時以降の遅い時間帯や夜間に散布を行うのが理想的である。
授粉に養蜂箱を使用している場合、薬剤散布中は一時的にその箱を覆い保護する。養蜂箱には、散布区域外のきれいな水を使用する。
土壌への接触や地下水への溶出を軽減するため、最大限に土壌を被覆する(被覆作物、マルチング、作物残渣など)。ただし、灌注処理の場合は該当しない。
益虫のエサや住みかになるものを提供するため、またより安定した農業生態系を育むために、農場外または農場内の農作物の畑の端に在来植生の花畑を作る。
3.4 燻蒸剤(吸入すると生命に危険を及ぼす)に関するリスク管理要件:
燻蒸剤は、ガス漏れ検知器(ガスメーター)が設置されている閉鎖・管理・密閉された環境でのみ適用される。これらの検知器は、携帯用機器でもよい。
燻蒸処理を行う倉庫またはコンテナの周囲には緩衝地帯を設ける。緩衝地帯は、保護具(例:ガスマスク)を着用した許可された者のみが立ち入り可能。緩衝地帯の広さは、散布量、施設、倉庫・コンテナの大きさに応じ、3~150mとする。火災防止目的だけでなく、許容範囲の職業ばく露限界値を管理するために、ガスメーターを緩衝地帯の周囲に沿って数カ所に設置する。指標は、国の規制または下記(いずれか厳しい方)と照合される。
濃度が 0.3ppm を超えた場合、無防備な労働者や見物人の立ち入りを禁止し、その区域から避難させる。
燻蒸処理が行われる場所や物質が保管されている場所の近くでは、ホスフィンガスが不意に発火しないような方法で電気を設置し、すべての発火源を取り除く。
燻蒸剤取扱者は、製品別研修資料、施設別情報に関する年次必修研修を修了していること。燻蒸が行われる場所、または物質を保管している場所で働く人は、消火のための特定の消火器(砂、二酸化炭素の粉末)の使用について訓練を受け、その設備を装備していること。消火のために水を使用することは禁止されている。
個人防護用具(PPE)は製品のラベルまたはMSDS(製品安全データシート)の記載どおりに着用する。散布者のPPEの詳細がラベルに記載されていない場合は、目を保護するもの(フェイスマスクやゴーグルなど)を備えた基本的な防護服[4]、および下記の呼吸用保護具を着用する。
濃度 | 必須装備 |
3ppm以下 | 送気マスク |
7.5 ppm以下 | 一定流量形の送気マスク |
15 ppm以下 |
|
50 ppm以下 |
|
不明 | 全面形自給式呼吸器 |
出典:米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)の推奨する装備
4. 認められる例外とその条件
4.1 肥料
レインフォレスト・アライアンスは、表1に記載された条件を完全に満たす場合に限り、以下の肥料の使用を許可します。
条件:慢性毒性に関するリスク管理要件が完全に実施されていること(上記リスク管理の項を参照)。肥料はホウ素欠乏が確認された土壌にのみ散布することが認められる。
表1認められる禁止肥料の例外
有効成分 | CAS番号 | 毒性分類 | 病害虫 | 農作物 | 国 | 有効期限 |
|---|---|---|---|---|---|---|
ホウ砂、ホウ酸塩 | 1303-96-4 | 慢性毒性 | 適用外 | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
ホウ酸 | 10043-35-3 | 慢性毒性 | 適用外 | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
4.2 殺鼠剤
レインフォレスト・アライアンスは、表2に記載された条件を完全に満たす場合に限り、以下の殺鼠剤の使用を許可します。
条件:殺鼠剤を練り込んだ餌付き捕獲器のみ使用可能。インフラへの使用のみに限定される。殺鼠剤または急性毒性に関するリスク管理要件の項に記載されているリスク管理要件が完全に実施されていること。
表2認められる禁止殺鼠剤の例外
有効成分 | CAS番号 | 毒性分類 | 病害虫 | 農作物 | 国 | 有効期限 |
|---|---|---|---|---|---|---|
ブロディファコム | 56073-10-0 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
ブロマジオロン | 28772-56-7 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
ブロメタリン | 63333-35-7 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
クロロファシノン | 3691-35-8 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
クマテトラリル | 5836-29-3 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
ジフェチアロン | 104653-34-1 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
ダイファシノン | 82-66-6 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
フロクマフェン | 90035-08-8 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
ストリキニーネ | 57-24-9 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
ワルファリン | 81-81-2 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
リン化亜鉛 | 1314-84-7 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
ブロディファコム ペレット製剤の使用は許可されるが、果物がある生産区画に限定される。 | 56073-10-0 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | パイナップル | コスタリカ、フィリピン | 2028年12月31日 |
ブロマジオロン ペレット製剤の使用は許可されるが、果物がある生産区画に限定される。 | 28772-56-7 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | パイナップル | コスタリカ | 2028年12月31日 |
フロクマフェン ペレット製剤の使用は許可されるが、果物がある生産区画に限定される。 | 90035-08-8 | 急性毒性 | 齧歯目(Mus属, Rattus属, Oligoryzomys属, Peromyscus属, Sigmodon属) | パイナップル | コスタリカ | 2028年12月31日 |
4.3 殺線虫剤
レインフォレスト・アライアンスは、表3に記載された条件を完全に満たしている場合に限り、以下の殺線虫剤の使用を許可します。
条件:急性毒性に関するリスク管理要件が完全に実施されていること(上記リスク管理の項を参照)。
表3 認められる禁止殺線虫剤の例外
有効成分 | CAS番号 | 毒性分類 | 病害虫 | 農作物 | 国 | 有効期限 |
カズサホス* - 鳥が餌と混同しない製剤のみを使用。 - これらの殺線虫剤を散布する装置は、日常的に較正を行う。 対象:バナナ -植物の根域に正確に製剤を散布するスポット散布方法のみ許可される。 対象:パイナップル - 予防的な使用は認められない。- 1サイクルに1回のみ散布が許可される。 | 95465-99-9 | 急性毒性 | 線虫類(各種) | バナナ | コスタリカ ホンジュラス グアテマラ エクアドル | 2026年12月31日 |
カタツムリ(Cecilioides aperta, Opeas pumilum) | パイナップル | コスタリカ | 2026年12月31日 | |||
エトプロホス; エトプロップ* - 鳥が餌と混同しない製剤のみを使用。 対象:バナナ -植物の根域に正確に製剤を散布するスポット散布方法のみ許可される。 - これらの殺線虫剤を散布する装置は、日常的に較正を行う。 対象:パイナップル - 密閉型キャビントラクターによる散布方法のみ許可される。 | 13194-48-4 | 急性毒性 | 線虫類(各種) | バナナ | コスタリカ ホンジュラス グアテマラ エクアドル | 2028年12月31日 |
線虫類(各種)、コムカデ綱(Scutigerella immaculata) | パイナップル | コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
フェナミホス* - 鳥が餌と混同しない製剤のみを使用。 対象:バナナ - スポット散布のみ許可される。 - 1年に1回のみ散布が許可される。 対象:パイナップル - 密閉型キャビントラクターによる散布方法のみ許可される。 | 22224-92-6 | 急性毒性 | 線虫類(各種) | バナナ | ベリーズ コスタリカ グアテマラ パナマ | 2026年12月31日 |
線虫類(各種) | パイナップル | コスタリカ コートジボワール | 2026年12月31日 | |||
オキサミル* 対象:バナナ - スポット散布のみ許可される。 対象:パイナップル - 密閉型キャビントラクターによる散布方法のみ許可される。 | 23135-22-0 | 急性毒性 | 線虫類(各種)、バショウオサゾウムシ(Cosmopolites sordidus) | バナナ | ベリーズ カメルーン コスタリカ エクアドル グアテマラ ホンジュラス コートジボワール パナマ フィリピン スペイン・カナリア諸島のみ スリナム | 2026年12月31日 |
線虫類(各種) | パイナップル | コスタリカ エクアドル グアテマラ ホンジュラス コートジボワール パナマ | 2026年12月31日 | |||
テルブホス* - スポット散布のみ許可される。 - 鳥が餌と混同しない製剤のみを使用。 - これらの殺線虫剤を散布する装置は、日常的に較正を行う。 | 13071-79-9 | 急性毒性 | 線虫類(各種)、バショウオサゾウムシ(Cosmopolites sordidus) | バナナ | ベリーズ カメルーン コスタリカ エクアドル グアテマラ ホンジュラス コートジボワール パナマ | 2026年12月31日 |
4.4 殺虫剤/殺ダニ剤
レインフォレスト・アライアンスは、表4に記載された条件を完全に満たす場合に限り、以下の殺虫剤/殺ダニ剤の使用を許可します。
条件:急性毒性、慢性毒性、深刻な影響(花粉媒介者)に対するリスク管理戦略が完全に実施されていること。
表4認められる禁止殺虫剤・殺ダニ剤の例外
有効成分 | CAS番号 | 毒性分類 | 病害虫 | 農作物 | 国 | 有効期限 |
|---|---|---|---|---|---|---|
アバメクチン[5] | 71751-41-2 | 急性毒性 | ダニ(Tetranychus urticae) | アスパラガス | ペルー | 2028年12月31日 |
ダニ類(Oligonychus属, Panonychus属, Brevipalpus chilensis, Tetranychus urticae, Polyphagotarsonemus latus, Aceria sheldoni, Bryobia rubrioculus)、アザミウマ(Heliothrips属, Frankliniella属)、コナジラミ(Aleurodicus juleikae)、ダグベルタス・ファシアタス(カメムシの一種、Dagbertus minensis)、カイガラムシ類(Fiorinia fioriniae, Pinnaspis aspidistrae, Hemiberlesia lataniae) | アボカド | チリ コロンビア グアテマラ メキシコ ペルー | 2028年12月31日 | |||
線虫類(各種)、バショウオサゾウムシ(Cosmopolites sordidus)、コナカイガラムシ(Pseudococcus属, Ferrisia属, Dysmicoccus属)、ダニ(Tetranychus属) | バナナ | ベリーズ コロンビア コスタリカ エクアドル ガーナ グアテマラ ホンジュラス ニカラグア パナマ | 2028年12月31日 | |||
ダニ類(Panonychus ulmi, Tetranychus urticae, Bryobia rubrioculus, Brevipalpus chilensis, Eriophyes erineus, Oligonychus yothersi, Panonychus citri, Aculus cornutus)、 アザミウマ(Frankliniella occidentalis) | サクランボ | チリ | 2028年12月31日 | |||
ダニ(Tetranychus urticae, Oligonychus属, Panonychus属, Brevipalpus属, Polyphagotarsonemus latus, Eriophyes属, Aceria sheldoni, Bryobia rubrioculus, Phyllocoptruta oleivora, Colomerus vitis)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、ミカンキジラミ(Diaphorina citri) | 柑橘類 | ブラジル チリ ペルー | 2028年12月31日 | |||
ハモグリガの一種(Leucoptera coffeella)、ダニ(Tetranychus urticae, Oligonychus ilicis, Brevipalpus phoenicis)、線虫類(各種) | コーヒー | ブラジル コロンビア エルサルバドル グアテマラ ホンジュラス ニカラグア パナマ タンザニア ザンビア ペルー | 2028年12月31日 | |||
ダニ(Tetranychus属)、ハモグリバエ(Liriomyza属)、アザミウマ(Frankliniella属, Thrips属)、線虫類(各種) | 花卉類 | コロンビア エクアドル グアテマラ メキシコ | 2028年12月31日 | |||
ダニ(Colomerus vitis, Tetranychus属, Brevipalpus chilensis)、ネッタイマダラメイガ(Cryptoblabes gnidiella) | ブドウ | ブラジル チリ ペルー | 2028年12月31日 | |||
カイガラムシ類(Pinnaspis aspidistrae) | マンゴー | ブラジル | 2028年12月31日 | |||
ハモグリバエ(Liriomyza属)、ダニ(Tetranychus属)、アメリカウリノメイガの幼虫(Diaphania nitidalis)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci) | メロン | ブラジル コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
ダニ(Tetranychus urticae, Eotetranychus lewisi) | パパイヤ | コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
ダニ(Polyphagotarsonemus latus) | ペッパー(トウガラシ) | ペルー | 2028年12月31日 | |||
ハモグリバエ(Liriomyza huidobrensis) | ジャガイモ | ブラジル ウガンダ | 2028年12月31日 | |||
ダニ(Tetranychus urticae)、線虫類(各種)、モロコシマダラメイガ(Elasmopalpus lignosellus) | 大豆 | ブラジル | 2028年12月31日 | |||
ハモグリバエ(Liriomyza属) | スイカ | ブラジル コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
ホウ砂、ホウ酸塩 | 1303-96-4 | 慢性毒性 | ハキリアリ、シロアリ | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
ホウ酸 | 10043-35-3 | 慢性毒性 | ハキリアリ、シロアリ | すべての農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
クロルピリホス* 対象:バナナ 含浸プラスチックにのみ使用が許可される。 対象:パイナップル 密閉型キャビントラクターによる散布方法のみ許可される。開花前のみ使用が許可される。 | 2921-88-2 | 慢性毒性 | コナカイガラムシ(Pseudococcus属, Ferrisia属, Dysmicoccus属)、アブラムシ(Pentalonia属)、ハムシ科の一種(Colaspis属) | バナナ | コロンビア コスタリカ エクアドル グアテマラ ホンジュラス フィリピン | 2026年12月31日 |
コムカデ綱(Scutigerella immaculata) | パイナップル | コスタリカ エクアドル コートジボワール | 2026年12月31日 | |||
イミダクロプリド 対象:バナナ スポット散布のみ許可される。 対象:コーヒー - スポット散布のみ許可される。 - 収穫前と後に耕種的な防除法を実施。 - 開花登録を行う。開花後60日から90日の間にのみ散布する。定義された閾値レベルは4%。 | 138261-41-3 | 深刻な影響(花粉媒介者のリスク) | カスミカメムシ科の一種(Distantiella theobroma)、カスミカメムシ科の一種(Sahlbergella singularis)、カスミカメムシ科の一種(Helopeltis属)、コウチュウ目コガネムシ科の幼虫(Phyllophaga属) | カカオ | コートジボワール リベリア | 2028年12月31日 |
コナカイガラムシ(Pseudococcus属, Ferrisia属, Dysmicoccus属)、アブラムシ(Pentalonia属)、バショウオサゾウムシ(Cosmopolites sordidus)、カイガラムシ類(Aspidiotus destructor, Diaspis boisduvalii) | バナナ | カメルーン コスタリカ エクアドル グアテマラ ホンジュラス コートジボワール パナマ フィリピン スリナム | ||||
コーヒーノミキクイムシ(Hypothenemus hampei) | コーヒー | コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
カイガラムシ類(Aulacaspis tubercularis)、アブラムシ(複数) | マンゴー | プエルトリコ | 2028年12月31日 | |||
ワタアブラムシ(Aphis gossypii Glover)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci) | ペッパー(トウガラシ) | インド | 2028年12月31日 | |||
スピロジクロフェン | 148477-71-8 | 慢性毒性 | ヒメハダニ科のダニの一種(Brevipalpus yothersi) | 柑橘類 | ブラジル チリ | 2028年12月31日 |
チアクロプリド | 111988-49-9 | 慢性毒性 | カスミカメムシ科の一種(Helopeltis theivora) | 茶類 | インド | 2026年12月31日 |
チアメトキサム 対象:バナナ、ブドウ、茶類 スポット散布のみ許可される。 対象:カカオ - スポット散布のみ許可される。 - 年間4回までの散布が許可される。 - ガーナにおいては、8月から12月にかけて散布が実施される。 - コートジボワールでは、7月・8月(28日間隔)、および12月・1月(28日間隔)に散布が実施される。 対象:花卉類 温室などの密閉環境下でのみ使用が許可される。 | 153719-23-4 | 深刻な影響(花粉媒介者のリスク) | ゾウムシ(Heilipus fassli) | アボカド | コロンビア | 2028年12月31日 |
線虫類(各種) | バナナ | カメルーン コロンビア エクアドル グアテマラ ホンジュラス パナマ | 2028年12月31日 | |||
カスミカメムシ科の一種(Distantiella theobroma)、 カスミカメムシ科の一種(Sahlbergella singularis)、ココアツマキホソガ(Conopomorpha cramerella) | カカオ | ガーナ インドネシア コートジボワール、ナイジェリア | 2028年12月31日 | |||
ハモグリガの一種(Leucoptera coffeella) | コーヒー | ブラジル ペルー タンザニア | 2028年12月31日 | |||
アブラムシ(Macrosiphum属, Myzus属)、アザミウマ(Frankliniella属, Thrips属)、コナジラミ(Trialeurodes属) | 花卉類 | コロンビア エクアドル グアテマラ、メキシコ | 2028年12月31日 | |||
ワタフキカイガラムシ科の一種(Eurhizococus brasiliensis) | ブドウ | ブラジル | 2028年12月31日 | |||
コナカイガラムシ(複数)、アザミウマ(複数) | マンゴー | プエルトリコ | 2028年12月31日 | |||
タバココナジラミ(Bemisia tabaci) | メロン | コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
コナカイガラムシ科(Dysmicoccus brevipes) | パイナップル | コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
カスミカメムシ科の一種(Helopeltis theivora) | 茶類 | インド | 2028年12月31日 | |||
タバココナジラミ(Bemisia tabaci) | スイカ | コスタリカ | 2028年12月31日 |
4.5 貯穀害虫駆除のための燻蒸剤
レインフォレスト・アライアンスは、表5に記載された条件を完全に満たす場合に限り、貯穀害虫駆除のために以下の燻蒸剤の使用を許可します。
条件:燻蒸剤(吸入すると致命的)に関するリスク管理要件が完全に実施されていること(上記リスク管理の項を参照)。
表5認められる禁止燻蒸剤の例外
有効成分 | CAS番号 | 毒性分類 | 病害虫 | 農作物 | 国 | 有効期限 |
リン化アルミニウム ホスフィン 収穫後の工程にのみ使用が許可される。 | 20859-73-8 7803-51-2 | 吸入すると致命的 | 複数 | カカオ | すべての国 | 2028年12月31日 |
リン化アルミニウム ホスフィン 収穫後の工程にのみ使用が許可される。 | 20859-73-8 7803-51-2 | 吸入すると致命的 | 複数 | コーヒー | すべての国 | 2028年12月31日 |
リン化アルミニウム リン化マグネシウム ホスフィン 収穫後の工程にのみ使用が許可される。 | 20859-73-8 12057-74-8 7803-51-2 | 吸入すると致命的 | 複数 | ハーブとスパイス類 | すべての国 | 2028年12月31日 |
リン化マグネシウム ホスフィン | 12057-74-8 7803-51-2 | 吸入すると致命的 | アザミウマ(Frankliniella属, Thrips属) | 花卉類 | コロンビア | 2028年12月31日 |
リン化アルミニウム リン化マグネシウム ホスフィン 収穫後の工程にのみ使用が許可される。 | 20859-73-8 12057-74-8 7803-51-2 | 吸入すると致命的 | 複数 | 適用法で義務付けられる場合、あらゆる農作物 | すべての国 | 2028年12月31日 |
4.6 殺菌剤
レインフォレスト・アライアンスは、表6に記載された条件を完全に満たす場合に限り、以下の殺菌剤の使用を許可します。
条件:慢性毒性および深刻な影響(花粉媒介者)に対するリスク管理戦略が完全に実施されていること。
表6認められる禁止殺菌剤の例外
有効成分 | CAS番号 | 毒性分類 | 病害虫 | 農作物 | 国 | 有効期限 |
|---|---|---|---|---|---|---|
カルベンダジム 開花前のみ使用が許可される。 トラクター(密閉型)とブームスプレーによる散布方法のみ許可される。 | 10605-21-7 | 慢性毒性 | 萎ちょう病(Fusarium属)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporioides)、黒腐病(Thielaviopsis paradoxa) | パイナップル | コスタリカ | 2028年12月31日 |
テトラクロロイソフタロニトリル 対象:ルイボス 苗床内の苗木にのみ使用が許可される。 | 1897-45-6 | 慢性毒性 | 葉枯病(Stemphylium vesicarium) | アスパラガス | ペルー | 2026年12月31日 |
シガトカ病(Pseudocercospora fijiensis)、バナナ黒点病(Phyllosticta musarum) | バナナ | コロンビア、コスタリカ エクアドル、グアテマラ ホンジュラス インドネシア フィリピン | 2026年12月31日 | |||
炭疽病(Colletotrichum属)、斑点病(Cercospora属)、軸腐病(Lasiodiplodia属)、黒星病(Cladosporium属) | マンゴー | プエルトリコ | 2026年12月31日 | |||
灰色かび病(Botrytis cinerea)、 炭疽病(Colletotrichum acutatum) | ルイボス | 南アフリカ | 2026年12月31日 | |||
シプロコナゾール | 94361-06-5 | 慢性毒性 | コーヒーノキ葉さび病(Hemileia vastatrix)、炭疽病(Colletrotrichum属)、アメリカ斑点病(Mycena Citricolor)、褐眼病(Cercospora coffeicola)、赤衣病(Erythricium salmonicolor)、 白絹病の一種(Corticium属) | コーヒー | ブラジル コロンビア コスタリカ ドミニカ共和国 エルサルバドル メキシコ ペルー | 2028年12月31日 |
ジメトモルフ | 110488-70-5 | 慢性毒性 | ブラックポッド病(Phytophthora属) | カカオ | リベリア | 2028年12月31日 |
べと病(Peronospora sparsa) | 花卉類 | グアテマラ エクアドル | 2028年12月31日 | |||
べと病(Pseudoperonospora cubensis) | メロン | ブラジル コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
べと病(Pseudoperonospora cubensis) | スイカ | コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
エポキシコナゾール | 133855-98-8 | 慢性毒性 | シガトカ病(Pseudocercospora fijiensis) | バナナ | ベリーズ カメルーン コロンビア、コスタリカ、エクアドル、グアテマラ、ホンジュラス コートジボワール パナマ フィリピン | 2028年12月31日 |
コーヒーノキ葉さび病(Hemileia vastatrix)、炭疽病(Colletotrichum属)、アメリカ葉斑病(Mycena Citricolor)、褐眼病(Cercospora coffeicola) | コーヒー | ブラジル コスタリカ グアテマラ ホンジュラス ケニア メキシコ ニカラグア パナマ ペルー コロンビア エルサルバドル | 2028年12月31日 | |||
イプロジオン 対象:ルイボス 苗床内の苗木にのみ使用が許可される。 | 36734-19-7 | 慢性毒性 | 菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、すす病(Capnodium属) | 花卉類 | コロンビア エクアドル メキシコ アメリカ合衆国 | 2028年12月31日 |
炭疽病(Colletotrichum acutatum) | ルイボス | 南アフリカ | 2028年12月31日 | |||
マンゼブ 対象:ジャガイモ 輪作を実施すべきである。 | 8018-01-7 | 慢性毒性 | シガトカ病(Pseudocercospora fijiensis) | バナナ | ベリーズ ブラジル カメルーン コロンビア コスタリカ エクアドル グアテマラ ホンジュラス インドネシア コートジボワール メキシコ ニカラグア パナマ、フィリピン スリナム | 2028年12月31日 |
ブラックポッド病(Phytophthora属) | カカオ | コートジボワール リベリア ニカラグア | 2028年12月31日 | |||
べと病(Peronospora sparsa)、 ボトリチス病(Botrytis cinerea) | 花卉類 | コロンビア エクアドル アメリカ合衆国 | 2028年12月31日 | |||
べと病(Plasmopara viticola) | ブドウ | ブラジル ペルー | 2028年12月31日 | |||
トウモロコシ斑点病(Phaeosphaeria maydis) | トウモロコシ | ブラジル | 2028年12月31日 | |||
炭疽病(Colletotrichum属)、黒星病(Elsinoe mangiferae) | マンゴー | ブラジル コスタリカ ペルー プエルトリコ | 2026年12月31日 | |||
べと病(Pseudoperonospora cubensis)、炭疽病(Colletotrichum属) 葉枯病(Alternaria属) | メロン | ブラジル コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
紫斑病(Alternaria porri) | タマネギ | ブラジル | 2028年12月31日 | |||
夏疫病(Cercospora apii)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、灰色カビ病(Botrytis cinerea)、炭疽病(Colletotrichum属)、芽腐病(Phytophthora palmivora) | パパイヤ | ブラジル コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
根腐病(Phytophthora属) | パイナップル | コスタリカ エスワティニ | 2028年12月31日 | |||
疫病(Phytophthora infestans)、夏疫病(Alternaria solani) | ジャガイモ | ブラジル チリ ウガンダ | 2028年12月31日 | |||
ダイズさび病(Phakopsora pachyrhizi)、褐色輪紋病(Corynespora cassiicola)、紫斑病(Cercospora kikuchii)、褐紋病(Septoria glycines) | 大豆 | ブラジル | 2028年12月31日 | |||
輪斑病(Pseudopestalotiopsis theae) | 茶類 | インド | 2028年12月31日 | |||
べと病(Pseudoperonospora cubensis)、炭疽病(Colletotrichum属)、葉枯病(Alternaria属) | スイカ | ブラジル コスタリカ | 2028年12月31日 | |||
プロピコナゾール 種子処理にのみ使用が許可される。 | 60207-90-1 | 慢性毒性 | 萎ちょう病(Fusarium属)、 基腐病(Ceratocystis paradoxa) | パイナップル | コスタリカ エクアドル | 2026年12月31日 |
トリアジメノール | 55219-65-3 | 慢性毒性 | シガトカ病(Pseudocercospora fijiensis) | バナナ | コロンビア、コスタリカ グアテマラ ホンジュラス ニカラグア | 2028年12月31日 |
その他の情報
本文書の初版日(第1.0版):2021年6月30日
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レインフォレスト・アライアンスの書面による事前の同意なしに、本付属文書の複製、変更、配布、または再発行をすることは固く禁じられています。
詳細について
レインフォレスト・アライアンス認証の取得については、カスタマーサクセスチーム(customersuccess@ra.org)までお問い合わせください。
レインフォレスト・アライアンスの詳細については、https://www.rainforest-alliance.org/ja/ にアクセスするか、info@ra.orgまたは レインフォレスト・アライアンス アムステルダム事務所(Rainforest Alliance Amsterdam Office, De Ruijterkade 6, 1013AA Amsterdam, The Netherlands)にお問い合わせください。
脚注
これらの物質は、表中にアスタリスク(*)を付けて記されています。 ↑
すなわち、生産サイクルを通じて、これらの物質の取扱い、混合、または散布に日常的に関与することにより頻繁に生じる曝露を指します。 ↑
推奨: 猛禽類の繁殖場所を確保するための巣箱を設置する。 ↑
農薬を取り扱う人のための衣料品や靴。長袖のシャツ、長ズボン、靴下、頑丈な靴、耐薬品性の手袋、目を保護するもの(フェイスマスクやゴーグルなど)、呼吸保護具(レスピレーターなど)を含む。付属文書 用語集より。 ↑
推奨:製剤によっては、アバメクチンと園芸用または蒸留範囲が狭く高度に精製されたオイルを併用することで、効果が高まり、散布時の農薬の飛散を低減することができる。 ↑